元気食欲がなく皮膚や白目が黄色い……もしかして胆嚢粘液嚢腫⁉

こんにちは!

けいこくの森動物病院です🌳

今回は胆嚢粘液嚢腫について解説します。

 

胆嚢粘液嚢腫とは?

~愛犬・愛猫のお腹の中で起こる「胆嚢のトラブル」~

胆嚢(たんのう)は、肝臓の近くにある小さな袋状の臓器で、脂肪の消化に関わる「胆汁(たんじゅう)」を一時的にためておく役割があります。

胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)」とは、この胆嚢の中にゼリー状の濃い粘液(胆汁の異常物質)が異常にたまってしまう病気です。

進行すると、胆嚢が破裂して命に関わることもあるため、早期発見・早期治療がとても大切です。

 

どんな症状が見られるの?

初期の段階では無症状のことも多いですが、病気が進行すると以下のような症状が見られることがあります。

  • 食欲がない
  • 嘔吐
  • 元気がない
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 下痢
  • お腹を痛がる様子(背中を丸める、触ると嫌がる など)
  • 尿の色が濃い・便が白っぽい

これらの症状がある場合、胆嚢や肝臓に異常がある可能性があります。

 

なぜ起こるの?

胆嚢粘液嚢腫のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。

  • 加齢(中高齢の犬に多い)
  • ホルモン異常(クッシング症候群、甲状腺機能低下症など)
  • 高脂血症
  • 肥満
  • 特定の犬種(シェルティ、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルなど)

 

どのように診断するの?

胆嚢粘液嚢腫は、主に超音波検査(エコー)で診断します。

特徴的な「キウイフルーツのような胆嚢内構造」が見られるのがポイントです。

併せて、以下のような検査も行います。

  • 血液検査(肝臓の数値、炎症反応など)
  • レントゲン検査
  • 胆道閉塞や腹膜炎の有無の確認

 

治療法は?

状態によって治療方針が異なりますが、大きく分けて「内科治療」と「外科治療」があります。

内科治療(軽度の場合)

  • 胆汁の流れを良くする薬(ウルソデオキシコール酸など)
  • 抗生物質
  • 栄養管理、食事療法
  • 原因疾患の治療(ホルモン異常など)

※定期的な超音波検査で進行状況を確認します。

外科治療(進行例・重度・破裂リスクが高い場合)

  • 胆嚢摘出手術が選択されます。
  • 胆嚢破裂を防ぎ、命を救うためには早期の判断が重要です。

 

早期発見のためにできること

胆嚢粘液嚢腫は、症状が出にくいことも多いため、健康診断の超音波検査で偶然見つかることがよくあります。

以下のようなわんちゃん・ねこちゃんは特に注意が必要です。

  • 7歳以上の中高齢
  • クッシング症候群や甲状腺機能低下症と診断されている
  • 血液検査で肝酵素(ALT、ALPなど)が高い
  • 食欲不振・嘔吐・元気の消失が見られる

年に1回以上の健康診断、特にエコー検査の習慣が、命を守る第一歩になります。

 

まとめ

胆嚢粘液嚢腫は、進行すれば命に関わる可能性もある重大な病気ですが、早期に見つけて適切な治療を行えば、元気に過ごすことができます。

「最近なんとなく元気がないな」「血液検査で肝臓の数値が高かった」といった小さなサインも見逃さず、気になることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。

わんちゃん・ねこちゃんが毎日を快適に過ごせるよう、全力でサポートいたします。

 

 

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