【これ、うちの子かも?】犬・猫のかゆみ、実は「疥癬」かもしれません~見逃すと家族にも感染する皮膚病~

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こんにちは。世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

「かゆがってるけど、季節の変わり目かな」「シャンプーを変えたせいかも」そうやって様子を見ていたら、どんどん毛が抜けて、赤くただれてきた——

そんな症状、もしかしたら疥癬(かいせん)という皮膚病かもしれません。

小さなダニが原因で起こる感染症で、強烈なかゆみと脱毛が一気に広がるこの病気は、実は人や他の動物にもうつる可能性がある、とても注意が必要な皮膚疾患です。

 

【体験談】最初は乾燥肌かと思ったら

「お散歩のあとにやけに体を掻いていて、最初は乾燥かアレルギーかと思ってました。でも、顔の毛が抜け始めて、赤くなって。気づいたときにはお腹や脚にも広がっていて。受診したら疥癬と診断されました。」

実際に多いのがこのようなケース。

初期は本当に「ちょっとしたかゆみ」に見えるのが疥癬のこわいところです。

 

疥癬ってどんな病気?

疥癬(かいせん)は、「ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)」という目に見えないほど小さなダニが、皮膚に寄生することで発症します。

ダニは皮膚の中にトンネルを掘って卵を産み、体内で増殖。

これにより激しいアレルギー反応が起こり、かゆみや皮膚炎が現れます。

犬では「イヌセンコウヒゼンダニ」猫では「耳ダニ」や「ネコショウセンコウヒゼンダニ」

など、動物種によって違いもあります。

 

疥癬の主な症状|見逃してほしくない変化

1日中かゆがる(夜中も掻く・舐める)

・耳のふち・肘・お腹などに脱毛、赤み、かさぶた

・フケが増える、皮膚がざらつく

・掻いたところがジュクジュクしてくる

・飼い主さんの手足にもかゆみが出てくることがあります

かゆみの強さは、ノミやアレルギーの比じゃないと言われるほどです。

 

感染経路は?どこからうつる?

ヒゼンダニは感染力が非常に強く、直接接触でうつります。

・保護犬・保護猫を新しく迎えたあと

・ペットホテル、ドッグランのあと

・野良猫との接触

・兄弟や親子での接触

潜伏期間が23週間と長く、気づいたときには他の家族や動物にうつっていたということも。

 

動物病院での診断方法

皮膚スクレーピング検査

皮膚表面を少し削って顕微鏡で確認。

ただし、ダニが見つからないこともあります。

問診+視診

症状や生活環境から総合的に判断します。

 

治療法|かゆみを止めるだけでは不十分!

ダニを確実に駆除

・スポットタイプ(首に垂らす)

・飲み薬

最近は安全性が高く、長期間効く薬も登場しています。

皮膚ケア・炎症の管理

・抗炎症薬(かゆみ・赤みの抑制)

・二次感染予防の抗生物質

・保湿剤や薬用シャンプー

症状が改善しても油断は禁物。再発を防ぐために、治療は最後まできっちり行いましょう。

 

ご自宅でできる予防と対策

・お薬は指示どおり最後まで使用する

・他のペットも検査・治療を受ける

・タオル・毛布は熱湯で消毒

・部屋の掃除を徹底する

・飼い主さんにもかゆみが出た場合は皮膚科受診を

 

よくあるご質問(Q&A

Q1.人にも感染しますか?

A.一時的にかゆみが出ることはありますが、人間の体内ではダニは繁殖できないため、治療で自然におさまることがほとんどです。

Q2.予防薬を使っていたのに感染したのはなぜ?

A.ノミ・マダニ用の薬でも、疥癬ダニには効かない製品があります。

 必要に応じて、より広く効果のある薬剤への変更をご提案することがあります。

 

まとめ

・疥癬はかゆみの陰に潜む、見逃しやすい皮膚感染症

・強いかゆみ、脱毛が特徴、放置すると感染拡大の恐れもあります

・駆虫薬と皮膚ケアで完治可能

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

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TEL:03-3704-1014

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