犬で下痢や血便、食欲低下がみられる…もしかして鞭虫症かも?

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こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

犬の鞭虫症(べんちゅうしょう)とは?

最近、うちの子のうんちが柔らかい」「血が混じってる?」「元気もあまりない

そんなお悩みを抱える飼い主さんへ——

それ、鞭虫(べんちゅう)という寄生虫が関係しているかもしれません。

鞭虫症は、犬の健康に深刻な影響を与える可能性がある内部寄生虫感染症の一つです。特に下痢体重減少が続いている場合、放置すると症状が慢性化するリスクも。

今回はそんな鞭虫症についてご紹介します!

 

 

 

そもそも、鞭虫ってなに?

鞭虫とは、線虫類の内部寄生虫で、主に犬の盲腸結腸(大腸)に寄生します。

  • 【大きさ】全長4〜7cm程度
  • 【形状】前方が細く、後方が太い「ムチ(鞭)」のような形状
  • 【寄生部位】大腸(特に盲腸)にしがみついて血を吸う

犬に感染すると、大腸の粘膜が損傷し、血便下痢体重減少などの症状を引き起こす可能性があります。

子犬での発症はまれで、通常は成犬にみられる寄生虫病であることが特徴です。

 

 

感染の仕組み|どうやって犬にうつるの?

感染経路は「口から卵を飲み込むこと」による経口感染です。

  1. 感染犬の糞便に、鞭虫の卵が含まれて排泄される
  2. 他の犬が水たまり食べ物などから卵を口にする
  3. 小腸内で孵化し、大腸に移動して寄生

鞭虫卵の恐ろしいポイント

  • 数年間環境中で生存できるほど生命力が強い
  • 通常の消毒薬気温変化では死なない
  • 公園、散歩道、庭の土、ドッグランなど、あらゆる場所が感染源になり得る

 

 

主な症状|「なんか変だな?」と思ったら要注意

鞭虫症の症状は、感染の程度や犬の体力によって異なります。軽度の感染では無症状のこともありますが、以下のような兆候がある場合は注意が必要です。

主な症状リスト

 

症状

特徴

下痢軟便

とくに粘液状血が混じることがある

食欲低下

食べているのに痩せてくることも

体重減少

栄養が吸収されにくくなるため

元気がない

だるそう活動量が減る

嘔吐腹痛

感染が進行した場合にみられることも

しぶり(排便困難)

大腸が炎症を起こしているサイン

特に、慢性的な下痢が続いているのに原因がわからないケースで、鞭虫症を疑うこともあります。

 

 

診断方法|正確な診断には「継続的な糞便検査」がカギ

当院では、鞭虫症の疑いがある場合、顕微鏡による糞便検査を実施します。

  • 卵の検出には遠心浮遊法直接塗抹法を用います
  • ただし、鞭虫は周期的にしか卵を排泄しないため、1回の検査で陰性でも感染している可能性があります
  • そのため、数日おきに複数回の検査を行うことがあります

また、症状がはっきりしている場合には、診断的に駆虫薬を投与して反応を見ることもあります。

 

 

鞭虫症の治療法|しっかり駆虫+再感染予防

治療の中心は、効果のある駆虫薬を使って寄生虫を排除することです。

よく使われる駆虫薬(成分)

  • ミルベマイシンオキシム
  • エモデプシド・トルトラズリル

治療スケジュールの例

  • 1回の投薬だけでなく、定期的に再投与
  • 同時に、周囲の環境整備糞の処理土の除去)も重要

放置すると慢性腸炎栄養不良の原因にもなるため、早期発見・早期治療が鍵です。

 

 

予防法|鞭虫症を未然に防ぐ5つのポイント

  1. 定期的な駆虫薬の投与
  2. 糞便の迅速な処理(感染源の除去)
  3. 土を掘ったり、外の地面をなめる癖がある犬に注意
  4. 定期的な糞便検査(年1程度

とくに多頭飼育外飼い保護犬などのケースでは、感染リスクが高くなるため、より徹底した予防が必要です。

 

 

飼い主さんへのメッセージ

鞭虫症は、正しく理解すれば予防と治療が十分に可能な疾患です。

ただし、無症状で進行するケースも多く、知らずに飼い犬や他の犬に感染を広げてしまうこともあります。

下痢が続いている」「食欲がない」「なんとなく元気がない

そんなサインが見られたら、お早めにご相談ください!

わんちゃん達は言葉で体調を訴えられません。だからこそ、私たちが気づいてあげることが大切です。

ご不安があれば、いつでも当院にご相談ください。

 

 

チェック項目

該当する?

下痢粘血便がある

✅ / ❌

食欲はあるのに痩せてきた

✅ / ❌

便の検査を半年以上していない

✅ / ❌

ドッグラン公園によく行く

✅ / ❌

複数の犬を飼っている

✅ / ❌

✅ が1つでも当てはまった場合は、定期的な健康診断や診察(便検査)をおすすめします。早期発見・早期対応で、愛犬の健康を守りましょう。

当院では便検査の項目が含まれる健康診断のコースのご用意ございます。気になる方はぜひお問い合わせください!

 

 

 

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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