2025/11/16
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
犬の瞬膜腺脱出(チェリーアイ)とは?
放置はドライアイや角膜障害のリスクに
愛犬の目頭に、突然赤い丸い腫れが飛び出しているのに気づいた…
そんなとき疑われる代表的な眼疾患が、瞬膜腺脱出(チェリーアイ)です。見た目のインパクトが強く、飼い主様が慌てて来院されるケースもよくあります。
若齢犬に多く発症し、再発も珍しくないため、早期の診断と適切な治療が重要です。
今回はそんな瞬膜腺脱出(チェリーアイ)についてご紹介します!

瞬膜(第三眼瞼)と瞬膜腺の役割
犬には、人と同様のまぶたに加えて、眼球の内側から横に動く第三のまぶた「瞬膜」が存在します。瞬膜は以下のような役割を担います。
- 角膜表面の保護(物理刺激・乾燥から守る)
- 異物除去(砂粒や埃など)
- 涙液分配のサポート
- 免疫細胞を含む粘膜防御
瞬膜の裏側には瞬膜腺があり、涙液を産生します。この腺が本来の位置から飛び出してくるのが「瞬膜腺脱出」です。
瞬膜腺脱出(チェリーアイ)とは?
瞬膜を固定する結合組織が緩んだ結果、腺が眼表に突出し、赤く丸い腫瘤状に見えます。見た目がチェリー(サクランボ)に似ているため、英語圏でCherry eyeと呼ばれます。
典型的な発症スピードは急性で、ある日突然目頭に現れます。刺激されることで腫脹しやすく、角膜を擦って二次トラブルを起こすリスクがあります。
なぜ起こる?(原因・関連因子)
組織の支持性欠如(先天的素因)
結合組織の脆弱性が遺伝的に関与します。
犬種素因(疫学的データ)
以下の犬種で好発しやすいとされています
- ビーグル
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ペキニーズ
- チワワ など
特に短頭種では解剖学的特徴から発症頻度が高いとされています。
年齢
若齢犬で多く、早くて3ヶ月齢程度で発症がみられる。
外傷/掻擦
顔まわりを擦る癖などが誘発する要因に。
症状
飼い主さんが気づきやすい変化
- 目頭に赤い球状の腫れ
- 顔をこする仕草が増える
- 目ヤニ増加
- 充血
- 涙が多くなる
瞬膜腺が露出しているため刺激を受けやすく、炎症が加速します。
放置するとどうなる?
放置は症状が悪化してしまう原因になってしまうかも…
- 繊維化(硬化)が進む → 手術しても戻りにくくなる
- 角膜炎の併発
- 慢性刺激による色素沈着
- 二次感染
- 涙腺機能低下 → 乾性角結膜炎(ドライアイ)
ドライアイは生涯管理となり、点眼治療が必要になります。
治療
瞬膜腺脱出=構造的問題
→ 点眼で腺は元の位置に戻りません。
保存療法(補助)
- 抗生剤点眼
- 抗炎症点眼
- 角膜保護点眼
炎症緩和目的で、根治性はありません。
外科手術が第一選択
完治するには外科手術が必要不可欠です。
まとめ
✔ 若齢犬に多い眼疾患
✔ 放置すると角膜障害・ドライアイのリスク
✔ 内科治療では根治しない
✔ 腺温存法による外科手術が標準
✔ 再発リスクあり → 術後管理が重要
愛犬の目頭に赤い丸い腫れを確認したら、ぜひ早めにご相談ください。早期介入が、術後の良好な視機能維持につながります。
当院では眼科専門病院への紹介も行っております。何か気になるご症状などございましたら、ぜひご相談ください!
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