2025/09/12
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳犬は好奇心旺盛な動物です。遊んでいるときや散歩中に草や小枝を口にくわえたり、夢中で匂いを嗅いでいるうちに小さな種子や異物を吸い込んでしまうことがあります。多くの場合はくしゃみや咳とともに自然に排出されますが、まれに気管や気管支に異物が入り込んでしまうことがあります。これは命に関わる危険な状態を引き起こす可能性があり、早期の発見と適切な処置がとても大切です。
今回は、犬の「気管・気管支内異物」について、その症状、診断方法、治療法、そして飼い主さんに知っておいていただきたい注意点をわかりやすくご紹介します。
気管・気管支内異物とは?
気管や気管支は、空気が肺に届くための通り道です。ここに小さな異物が入り込んでしまうと、空気の流れが妨げられ、咳や呼吸困難といった症状を引き起こします。
報告されている異物には、以下のようなものがあります。
- 草の種
- 小枝や木片
- 小さな骨片
- プラスチック片やおもちゃの部品
- 砂や小石
特に草の種は先端にトゲがあるため、いったん入り込むと自然には排出されにくく、気管支の奥まで移動して慢性的な咳の原因となることがあります。
主な症状
気管や気管支に異物が入った場合、症状は異物の大きさや場所によって変わります。代表的なものは以下のとおりです。
- 激しい咳(突然始まり、止まらないことが多い)
- 呼吸困難(開口呼吸やゼーゼーとした苦しそうな呼吸)
- チアノーゼ(舌や歯ぐきが紫色になる)
- 流涎(よだれ)
- 吐き気やえずき
- 元気消失
異物が大きくて気管をふさいでしまった場合には、急死することもあるため、非常に危険です。
一方で、植物の種のような小さな異物は気管支まで入り込み、慢性的に続く咳の原因になることもあります。「なんとなく咳が長引く」「治療しても良くならない」場合には、この可能性も考えられます。
診断方法
気管・気管支内異物は、症状だけで確定診断するのは難しく、以下の検査を組み合わせて診断します。
- 胸部X線検査
異物そのものが写ることもありますが、すべての症例で確認できるわけではありません。 - CT検査
異物の位置をより正確に把握できる検査です。 - 気管支鏡検査
小型の内視鏡を気管内に挿入し、直接異物を確認する方法です。その場で異物を取り除けることもあります。
治療法
気管・気管支内異物の治療の基本は、異物を取り除くことです。
- 内視鏡による除去
内視鏡を使って異物を直接確認し、鉗子などで取り除きます。最も一般的で負担が少ない方法です。 - 外科的処置(気管切開)
内視鏡鏡で取り除けない場合には、外科手術によって気管を切開し、異物を除去することがあります。 - 肺葉切除
異物が気管支の奥深くに入り込み、肺組織に大きなダメージを与えている場合には、損傷した肺の一部を切除することもあります。
除去後は、二次的な感染や炎症を抑えるための治療(抗生剤や消炎剤の投与)が行われます。
予後について
気管や気管支に入った異物を早期に発見し、除去できれば予後は良好です。
ただし診断や処置の過程では麻酔や外科手術が必要になる場合もあり、命に関わるリスクが伴うこともあります。そのため、事前にしっかりと説明(インフォームド・コンセント)を受け、納得のうえで治療に進むことが大切です。
飼い主さんにできる予防と注意点
- 散歩中は犬が草むらに顔を突っ込まないように注意する
- 小さなおもちゃや噛み砕けるプラスチック製品を与えない
- 咳や呼吸の異常が見られたら早めに動物病院を受診する
特に、突然の激しい咳や呼吸困難は緊急事態のサインです。迷わずすぐに動物病院を受診してください。
まとめ
気管や気管支内に異物が入ることはまれですが、起きてしまうと命に関わる危険な状態につながる可能性があります。突然の激しい咳や呼吸困難が見られたときには「もしかして異物を吸い込んでしまったかも」と疑い、できるだけ早く動物病院を受診してください。
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