目がショボショボしていて、目の周り掻くような仕草が…瞬膜腺脱出(チェリーアイ)について

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こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

犬の瞬膜腺脱出(チェリーアイ)とは?

放置はドライアイや角膜障害のリスクに

愛犬の目頭に、突然赤い丸い腫れが飛び出しているのに気づいた…

そんなとき疑われる代表的な眼疾患が、瞬膜腺脱出チェリーアイ)です。見た目のインパクトが強く、飼い主様が慌てて来院されるケースもよくあります。

若齢犬に多く発症し、再発も珍しくないため、早期の診断と適切な治療が重要です。

今回はそんな瞬膜腺脱出(チェリーアイ)についてご紹介します!

 

 

瞬膜(第三眼瞼)と瞬膜腺の役割

犬には、人と同様のまぶたに加えて、眼球の内側から横に動く第三のまぶた瞬膜」が存在します。瞬膜は以下のような役割を担います。

  • 角膜表面の保護(物理刺激・乾燥から守る)
  • 異物除去(砂粒や埃など)
  • 涙液分配のサポート
  • 免疫細胞を含む粘膜防御

瞬膜の裏側には瞬膜腺があり、涙液を産生します。この腺が本来の位置から飛び出してくるのが「瞬膜腺脱出」です。

 

 

瞬膜腺脱出(チェリーアイ)とは?

瞬膜を固定する結合組織が緩んだ結果、腺が眼表に突出し、赤く丸い腫瘤状に見えます。見た目がチェリー(サクランボ)に似ているため、英語圏でCherry eyeと呼ばれます。

典型的な発症スピードは急性で、ある日突然目頭に現れます。刺激されることで腫脹しやすく、角膜を擦って二次トラブルを起こすリスクがあります。

 

 

なぜ起こる?(原因・関連因子)

組織の支持性欠如(先天的素因)

結合組織の脆弱性が遺伝的に関与します。

犬種素因(疫学的データ)

以下の犬種で好発しやすいとされています

  • ビーグル
  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • ペキニーズ
  • チワワ など

特に短頭種では解剖学的特徴から発症頻度が高いとされています。

年齢

若齢犬で多く、早くて3ヶ月齢程度で発症がみられる。

外傷/掻擦

顔まわりを擦る癖などが誘発する要因に。

 

 

症状

飼い主さんが気づきやすい変化

  • 目頭に赤い球状の腫れ
  • 顔をこする仕草が増える
  • 目ヤニ増加
  • 充血
  • 涙が多くなる

瞬膜腺が露出しているため刺激を受けやすく炎症が加速します。

 

 

放置するとどうなる?

放置は症状が悪化してしまう原因になってしまうかも…

  • 繊維化(硬化)が進む → 手術しても戻りにくくなる
  • 角膜炎の併発
  • 慢性刺激による色素沈着
  • 二次感染
  • 涙腺機能低下乾性角結膜炎(ドライアイ)

ドライアイは生涯管理となり、点眼治療が必要になります。

 

治療

瞬膜腺脱出=構造的問題

→ 点眼で腺は元の位置に戻りません。

保存療法(補助)

  • 抗生剤点眼
  • 抗炎症点眼
  • 角膜保護点眼

炎症緩和目的で、根治性はありません。

外科手術が第一選択

完治するには外科手術が必要不可欠です。

 

まとめ

若齢犬に多い眼疾患

✔ 放置すると角膜障害ドライアイのリスク

内科治療では根治しない

✔ 腺温存法による外科手術が標準

再発リスクあり → 術後管理が重要

愛犬の目頭に赤い丸い腫れを確認したら、ぜひ早めにご相談ください。早期介入が、術後の良好な視機能維持につながります。

当院では眼科専門病院への紹介も行っております。何か気になるご症状などございましたら、ぜひご相談ください!

 

 

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