2025/04/20
こんにちは!
けいこくの森動物病院です🌳
今回は胆嚢粘液嚢腫について解説します。
胆嚢粘液嚢腫とは?
~愛犬・愛猫のお腹の中で起こる「胆嚢のトラブル」~
胆嚢(たんのう)は、肝臓の近くにある小さな袋状の臓器で、脂肪の消化に関わる「胆汁(たんじゅう)」を一時的にためておく役割があります。
「胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)」とは、この胆嚢の中にゼリー状の濃い粘液(胆汁の異常物質)が異常にたまってしまう病気です。
進行すると、胆嚢が破裂して命に関わることもあるため、早期発見・早期治療がとても大切です。
どんな症状が見られるの?
初期の段階では無症状のことも多いですが、病気が進行すると以下のような症状が見られることがあります。
- 食欲がない
- 嘔吐
- 元気がない
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 下痢
- お腹を痛がる様子(背中を丸める、触ると嫌がる など)
- 尿の色が濃い・便が白っぽい
これらの症状がある場合、胆嚢や肝臓に異常がある可能性があります。
なぜ起こるの?
胆嚢粘液嚢腫のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
- 加齢(中高齢の犬に多い)
- ホルモン異常(クッシング症候群、甲状腺機能低下症など)
- 高脂血症
- 肥満
- 特定の犬種(シェルティ、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルなど)
どのように診断するの?
胆嚢粘液嚢腫は、主に超音波検査(エコー)で診断します。
特徴的な「キウイフルーツのような胆嚢内構造」が見られるのがポイントです。
併せて、以下のような検査も行います。
- 血液検査(肝臓の数値、炎症反応など)
- レントゲン検査
- 胆道閉塞や腹膜炎の有無の確認
治療法は?
状態によって治療方針が異なりますが、大きく分けて「内科治療」と「外科治療」があります。
内科治療(軽度の場合)
- 胆汁の流れを良くする薬(ウルソデオキシコール酸など)
- 抗生物質
- 栄養管理、食事療法
- 原因疾患の治療(ホルモン異常など)
※定期的な超音波検査で進行状況を確認します。
外科治療(進行例・重度・破裂リスクが高い場合)
- 胆嚢摘出手術が選択されます。
- 胆嚢破裂を防ぎ、命を救うためには早期の判断が重要です。
早期発見のためにできること
胆嚢粘液嚢腫は、症状が出にくいことも多いため、健康診断の超音波検査で偶然見つかることがよくあります。
以下のようなわんちゃん・ねこちゃんは特に注意が必要です。
- 7歳以上の中高齢
- クッシング症候群や甲状腺機能低下症と診断されている
- 血液検査で肝酵素(ALT、ALPなど)が高い
- 食欲不振・嘔吐・元気の消失が見られる
年に1回以上の健康診断、特にエコー検査の習慣が、命を守る第一歩になります。
まとめ
胆嚢粘液嚢腫は、進行すれば命に関わる可能性もある重大な病気ですが、早期に見つけて適切な治療を行えば、元気に過ごすことができます。
「最近なんとなく元気がないな」「血液検査で肝臓の数値が高かった」といった小さなサインも見逃さず、気になることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。
わんちゃん・ねこちゃんが毎日を快適に過ごせるよう、全力でサポートいたします。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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