クラスⅢ不正咬合(下顎突出)について

こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回はクラスⅢ不正咬合(下顎突出)についてご紹介します。

 

 

クラスⅢ不正咬合(下顎突出)とは?

クラスⅢ不正咬合は、非短頭犬種にみられる下顎骨が上顎骨より長い顎骨長の不一致を示す不正咬合を指します。

 

原因とは?

上下のあごの長さが合わず、噛み合わせがずれる「不正咬合」には、次のような原因があります

遺伝的な要因
 

親から受け継いだ骨格や歯の大きさのバランスにより起こります。

品種改良による影響
 

顔や頭の形を特徴づけるための改良により、あごの骨にズレが出ることがあります。

異なる品種同士の交配
 

あごの構造や歯の大きさが大きく異なる品種を掛け合わせると、かみ合わせに影響が出やすくなります。

成長期のケガ
 

骨の発育途中でケガをすると、片側だけあごの成長が止まり、不正咬合の原因になります。

筋肉や皮膚の障害
 

傷あとや筋肉の異常で、あごの動きに偏りが出ることがあります。

感染症や栄養不足
 

重度の感染や栄養障害があると、あごの骨の発育に影響を与えることもあります。

 

臨床症状

よく見られる特徴

  • 多くのケースでは乳歯の時点ですでに発生
     早期に見つけることで、成長に合わせて対応できる可能性があります。
  • 下の前歯(切歯)や犬歯が、上の前歯より前に出ている
     「受け口」のような状態で、外見に目立つ場合もあります。
  • 上あご・下あごの前臼歯(奥歯の手前)がデコボコに並んでいる
     歯並びの乱れが見られます。

起こりやすいトラブル

  • 歯と歯がぶつかって、すり減ってしまう(咬耗)
     特に「上下の前歯がピッタリ当たる」状態(レベルバイト)は、歯の摩耗が早く進みます。
  • 「逆はさみ咬合(リバースシザーズバイト)」
     下の前歯が上の歯のすぐ前に出ている状態で、強くかみ合うと歯に負担がかかります。
  • 外見上の問題が主でも、場合によっては歯ぐきに傷ができることも
     上の歯が下あごの歯ぐきを刺激して、痛みや硬くなった部分(カルス)ができることもあります。
  • 歯ぐきの溝に強く当たると、炎症や病気の原因に
     この場合は治療が必要です。

 

診断検査

目視により診断可能です。

しかし、治療前に歯科X線検査が必要になります。

 

治療

  • 多くの症例では、痛みや外傷がないため治療を必要としないことがほとんどです
  • しかし、唇・歯・歯ぐきに傷や不快感がある場合は、以下の治療が検討されます
     ・生活歯髄治療(神経を残す処置)
     ・抜歯
     ・必要に応じた歯の移動(歯列矯正)
  • 飼い主さんが見た目の改善を希望する場合、歯列矯正によって改善できることがあります
     ・上あごの前歯を後方に下げるための拡張装置やアーチバー
     ・下あごの前歯を後ろに移動させる器具の使用

 

まとめ

見た目や症状に問題がなければ、クラスIII不正咬合は治療の必要がないことも多いですが、痛みや外傷がある場合は適切な処置が大切です。気になる場合は早めに獣医師に相談しましょう。

 

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