2025/07/15
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
歯の色が変わっているのを見つけて、「汚れてるのかな?」と思ったことはありませんか?
実は、歯の表面の汚れではなく、歯の内部に起きた問題が原因の「内因性色素沈着(ないいんせいしきそちんちゃく)」という状態かもしれません。
今回は、歯の変色のひとつである「内因性色素沈着」について、原因や治療法、飼い主さんが気をつけるポイントをご紹介します。
内因性色素沈着って何?
内因性色素沈着とは、歯の表面ではなく「歯の内部」から色が変わってしまう状態を指します。これは、歯の構造そのものが変化したことで起こる変色です。外からの汚れとは違い、歯磨きでは落とすことができません。
原因
主な原因は「歯への強い衝撃」です。
犬や猫でよく見られる原因は、歯の外傷です。たとえば、硬いものを噛んで歯が打撲したり、何かにぶつけたことで歯の内部に出血が起きると、その血液成分が歯の内部に染み込み、歯がピンクやグレー、黒っぽく変色していきます。
このようなケースでは、歯の中の神経(歯髄)が死んでしまい、不可逆的な歯髄炎や歯髄壊死に進行していることが多く、放置しておくと歯の根っこに膿がたまるなどのトラブルにつながります。
他にもある、変色の原因
内因性色素沈着には、外傷以外にもいくつかの原因があります。
- テトラサイクリンという抗生物質の影響
歯が発育している子犬や子猫の時期にこの薬を使うと、歯の成分に取り込まれてしまい、時間とともに黄ばみや灰色に変化することがあります。 - フッ素の過剰摂取
人では過剰なフッ素が歯の変色や斑点状のエナメル質の異常(フッ素症)を起こすことがあります。動物ではあまり一般的ではありませんが、注意が必要です。
診断方法
変色している歯があった場合、まずは動物病院で診てもらいましょう。外から見ただけでもある程度の診断は可能ですが、必要に応じてレントゲン検査を行うことで、歯の中や根っこの状態、周囲の骨への影響などを詳しく確認します。
治療法
内因性色素沈着の歯は、多くの場合で歯髄が壊死しており、根管治療(歯の中の治療)や抜歯が必要になることがあります。単なる「色が気になる」というだけではなく、「歯の内部で感染が起きている可能性がある」という点が重要です。
症状が軽ければ経過観察する場合もありますが、放置しておくと膿瘍や痛みの原因になることも。変色に気づいたら、早めに相談しましょう。
飼い主さんができる予防と対策
- ペットが硬すぎるおもちゃや骨などを噛まないよう注意する
- 歯の色を定期的にチェックする(特に前歯はわかりやすい)
- 歯が変色していたら、早めに動物病院を受診する
- 子犬・子猫に抗生物質を使うときは、獣医師の指示を守る
まとめ
内因性色素沈着は、見た目の変化だけではなく、歯の内部に深刻な問題を抱えているサインかもしれません。色の変化に気づいたときは、自己判断せずに動物病院で診てもらいましょう。
早期発見・早期治療が、ペットの健康を守る大切な一歩になります。
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