皮膚の赤みやかさぶた…その皮膚トラブル、もしかしてお薬のせい?

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こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回は【 外用ステロイド薬皮膚症 】についてご説明いたします。

ステロイドの塗り薬ってどんなときに使うの?

わんちゃんやねこちゃんの皮膚に赤みやかゆみ、湿疹が出たとき、動物病院でよく処方されるのが「ステロイド外用薬」です。

ステロイドは強い抗炎症作用があり、つらいかゆみや炎症をすばやく抑えてくれるお薬です。

よくある処方の例

  • アトピー性皮膚炎

  • アレルギー性皮膚炎

  • 虫刺されによるかゆみ

  • 慢性的な皮膚の赤みや脱毛

ただし、この強力な効果には副作用のリスクもつきものです。

とくに、長期間・広範囲にわたって塗り続けると「外用ステロイド薬皮膚症」という皮膚の異常が起こることがあります。

外用ステロイド薬皮膚症とは?

外用ステロイド薬皮膚症とは、ステロイドの塗り薬を長く、またはたくさん使いすぎたことによって、皮膚にダメージが生じる状態です。

こんな症状が見られたら要注意!

  • 皮膚が薄くピカピカして見える(皮膚萎縮)

  • 毛が抜ける、または生えてこない

  • 毛細血管が透けて見える

  • 色素沈着(皮膚が黒ずんでくる)

  • 同じところを何度も掻く舐める

  • 感染をくり返す膿皮症マラセチアなど)

特に「一度良くなったと思ったのに、またすぐぶり返す」というケースは、ステロイド皮膚症の可能性があります。

どうしてこんな副作用が起きるの?

ステロイドには皮膚の炎症を抑える効果がある一方で、細胞の再生やコラーゲンの生成を抑制してしまう作用もあります。

その結果

  • 皮膚がどんどん薄くなる

  • 自然な修復力が落ちる

  • バリア機能が低下し、細菌や真菌に感染しやすくなる

つまり、治すために使った薬が、逆に皮膚を壊してしまうリスクがあるのです。

よくあるケース:こんなときに要注意!

ケース1:かゆみが再発するたびに同じ薬を塗っている

→ 再発の原因は別にあるかもしれません。
塗り薬で抑えているだけでは根本治療にならないことも。

ケース2:飼い主さんの判断で塗る回数や量を増やしてしまった

→ 効果が薄いからといって多めに塗るのはNGです。

ケース3:昔処方された薬を自己判断で再利用

→ 症状が似ていても、原因が違えば治療も異なります

飼い主さんにできる予防と対策

1. 処方された通りに使う

用量・回数・期間など、獣医師の指示をしっかり守ることが第一です。

2. 症状が落ち着いた後も診察を受ける

「治ったから終わり」ではなく、再発予防や治療の見直しのためにも再診をおすすめします。

3. 皮膚の変化に早く気づく

日々のスキンシップやブラッシングのときに、皮膚の色・毛の状態・感触の違いを意識して見てあげてください。

4. 勝手に他の部位に塗らない

ステロイドは局所的に使う薬です。他の場所や他のペットに触れさせないように注意しましょう。

ステロイドをやめたらすぐ治るの?

ステロイド皮膚症は、薬を中止しただけではすぐには元に戻りません。ダメージを受けた皮膚は回復に時間がかかるため、以下のような補助療法を併用することがあります。

  • 保湿剤や皮膚バリア改善スプレー

  • 免疫調整剤(シクロスポリン、オクラシチニブなど)

  • 感染がある場合は抗菌薬抗真菌薬

また、皮膚以外にも影響が出ている場合は、血液検査やホルモン検査が必要になることもあります。

正しく使えば怖くない、でも油断は禁物!

ステロイド外用薬は、皮膚の炎症やかゆみを抑える非常に効果的なお薬です。しかし、自己判断での使用や漫然とした長期使用は、皮膚症を悪化させてしまう原因になります。

「これって副作用かも?」と思ったら、まずは動物病院へご相談ください。
正しい診断と安全な治療で、わんちゃん・ねこちゃんの健康な皮膚を守りましょう。

 

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