愛犬の目が見えづらそう…もしかして網膜剥離かも?

こんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳

「最近、ぶつかることが増えた」「片目を気にしている」など、見え方の変化に気づいて受診した際に、網膜剥離(もうまくはくり)と診断されることがあります。

今回は犬で起こる網膜剥離について、原因や症状、治療法をわかりやすくご紹介します。

 

網膜剥離とは?

網膜とは、目の奥(眼底)にある「カメラでいうフィルム」のような膜で、光を感じ取って脳へ信号を送る大切な組織です。

網膜剥離とは、この網膜の感覚部分が、その下にある「網膜色素上皮」から離れてしまう状態をいいます。

網膜がはがれると、光の情報を受け取れなくなり、その部分の視覚が失われます。

剥離の範囲が広がると見える範囲がどんどん狭くなり、最終的に失明に至ることもあるため、早期発見と治療がとても重要です。

 

網膜剥離のタイプと原因

犬の網膜剥離には大きく2つのタイプがあります。

裂孔原性(れっこうげんせい)網膜剥離

網膜に小さな“裂け目”ができ、そこから目の中の液体(硝子体)が入り込み、網膜が剥がれてしまうタイプです。

原因には次のようなものがあります。

  • 先天的な網膜異形成
  • 遺伝的な眼の異常
  • 外傷(頭をぶつける、交通事故など)
  • 硝子体の変性
  • 白内障や眼内手術後の合併症

このタイプは両目に及ぶこともあり、突然の視覚喪失として見つかることがあります。

漿液性(しょうえきせい)網膜剥離

こちらは裂け目がなく、網膜の下に液体や炎症による滲出物がたまることで起こります。

主な原因は脈絡膜やぶどう膜の炎症です。

 

    見られる症状

    網膜剥離の症状は、剥離の範囲によってさまざまです。

    初期には気づかれないこともありますが、次のような変化が見られることがあります。

    • 壁や家具にぶつかる
    • 階段の上り下りをためらう
    • 瞳が白く見える、光の反射が変わった
    • 瞳孔(どうこう)が開いたままで反応が鈍い
    • 片目を気にする、目を細める

    このような症状がある場合は、できるだけ早く眼科検査を受けることが大切です。

     

    診断方法

    眼底検査やエコーで剥がれた網膜を観察します。

    原因を特定するため、血液検査や血圧測定を行うこともあります。

     

    治療について

    治療法はタイプによって異なります。

    裂孔原性網膜剥離の場合

    網膜を元の位置に戻すためには外科手術が唯一の治療法です。ただし、非常に繊細で専門的な眼科手術となるため、

    当院では眼科専門施設への紹介を行っています。

    早期に適切な施設で治療を受けることで、視覚の回復が期待できるケースもあります。

    手術を行わずに時間が経ってしまうと、視細胞が変性してしまい、たとえ手術をしても視力が戻らないことがあるため、迅速な対応が重要です。

    漿液性網膜剥離の場合

    抗炎症薬の点眼や薬などで原因となる炎症を抑える治療を行います。

    治療は長期にわたることも多く、再発することもあるため、定期的な検査と継続的な管理が必要です。

     

    予後と注意点

    網膜剥離は、早期発見・早期治療が視覚を守るカギです。

    適切に治療できれば視覚の回復が見込めることもあります。

    一方、放置したままだと視細胞が変性し、元に戻らなくなることがあります。

    治療後も再発の可能性があるため、定期的なチェックを続けましょう。

     

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