肛門から何か出ている……もしかして直腸脱!?

こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回は、犬や猫に起こる「直腸脱(ちょくちょうだつ)」という病気についてご紹介します。

直腸脱ってどんな病気?

「直腸脱」とは、その名の通り、直腸(大腸の最後の部分)が肛門の外に飛び出してしまう状態を指します。赤く腫れた組織が肛門から突出しているように見え、多くの場合、飼い主さんが愛犬や愛猫のお尻を見て異常に気づきます。

飛び出している部分は柔らかく、触ると出血していることもあります。放置すると、組織が壊死(えし)してしまい、命に関わることもあるため、早期の診察が非常に重要です

 原因

直腸脱は、以下のような原因で発生します

激しい下痢や便秘

繰り返しの強い腹圧が直腸にかかることで、粘膜や直腸全体が押し出されるようになります。

出産や排便時のいきみ

特に猫では出産時、犬では長時間の排便努力(いきみ)で発生することがあります。

寄生虫感染や腸炎

回虫やジアルジアなど、腸に強い炎症を起こす寄生虫が原因になることもあります。

生まれつきの直腸支持組織の弱さ

特に若い犬猫で見られることがあり、体質的に直腸を支える筋肉や靭帯が弱い場合に発症しやすくなります。

 症状

直腸脱は、外見的にすぐに分かることが多いですが、次のような症状が併発していることもあります

  • 肛門から赤く腫れたものが出ている

  • 便を出そうとして何度もいきむ

  • 排便が困難そう

  • お尻を気にして舐め続ける

  • 出血や粘液の付着

  • 食欲不振、元気がない(重度の場合)

症状が進行すると、突出した直腸が壊死して黒く変色し、強い痛みや感染のリスクが高まります。

治療法

直腸脱の治療は、状態の重さ原因の有無によって異なります。動物病院では以下のような対処を行います

軽度の場合:整復と固定

脱出した直腸を消毒・潤滑してやさしく元に戻し、再発防止のために一時的に肛門を縫合(縛るような処置)します。これを「肛門縫合術」といいます。

原因疾患の治療

下痢や便秘、寄生虫などが原因の場合、それぞれの治療が必要です。下痢止めや駆虫薬、食事療法を行います。

重度・慢性の場合:外科手術

再発を繰り返したり、直腸が壊死している場合には、外科的に直腸を短くして固定する手術が必要になることもあります。

飼い主さんができる予防・対策

直腸脱を防ぐために、日常生活で気をつけたいポイントは以下の通りです

  • 下痢や便秘を放置しない
    早めに治療し、慢性化を防ぎましょう。

  • 寄生虫の定期的な予防・駆虫
    フィラリア予防薬や駆虫薬で、消化管の健康を守ります。

  • 栄養バランスのとれた食事
    腸に負担をかけない食生活を意識し、食物繊維の摂取も大切です。

  • 定期的な健康診断
    特に子犬・子猫やシニアのペットは、腸の働きに変化が起きやすいため、獣医師による定期チェックが安心です。

 

まとめ

直腸脱は、直腸が肛門から飛び出してしまう疾患で、排便時に非常に苦しむことがあります。

早期に診断し、適切な治療を行うことで回復することができます。

「排便時に苦しんでいる」「おしりから何か出ている」などの症状がありましたらご相談ください。

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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