2025/07/20
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳
犬や猫の「慢性肝炎」とは?放っておくと命に関わるサインと対策
「なんとなく元気がない」
「最近、食欲が落ちた気がする」
「寝てばかりで散歩にも行きたがらない」──それ、肝臓のサインかもしれません
「歳のせいかな?」と見過ごしていませんか?
その“なんとなく”の不調、もしかすると慢性肝炎の始まりかもしれません。
肝臓の病気は目に見える症状が出にくく、進行に気づきにくいのが特徴です。気づいたときにはすでに肝硬変や肝不全などの病気に進んでいることもあります。
今回はそんなわんちゃん、ねこちゃんに起こる慢性肝炎についてご紹介します!
慢性肝炎とは?〜沈黙の臓器、肝臓の異変〜
慢性肝炎とは、肝臓に長期間炎症が続く病気です。
炎症が続くと、肝臓の細胞が少しずつ壊れ、代わりに線維組織(かたくなった組織)が増えていきます。
最終的には「肝硬変」や「肝不全」といった、命に関わる状態に進行することも。
肝臓は沈黙の臓器といわれるほど、多少ダメージを受けてもなかなか症状を出しません。そのため、「元気がない」「食欲がない」といった、あいまいな症状が最初のサインになることが多いのです。
犬と猫で異なる「原因」
〇犬の主な原因
- 免疫の異常(自己免疫性肝炎)
→ 免疫が誤って肝臓を攻撃してしまう - 銅の蓄積(銅関連性肝炎)
→ 特にラブラドール、ベドリントン・テリアに多い - ウイルスや細菌感染
- 薬剤性・毒性(長期的な薬や中毒)
〇猫の主な原因
- リンパ球性肝炎(免疫介在性と考えられる)
- 胆管肝炎(胆管肝炎複合体)
→ 胆管から細菌が侵入して起こる - ウイルス感染(FIP、猫白血病など)
特に猫の場合、「肝炎単独」ではなく、すい炎・腸炎と合わせて発症することも多く、注意が必要です。
慢性肝炎の主な症状(初期は気づきにくい)
✅ 食欲が落ちた
✅ 元気がない
✅ 嘔吐・下痢
✅ 体重の減少
✅ 黄疸(目・歯茎・皮膚などの粘膜が黄色くなる)
✅ 多飲多尿
✅ けいれん、ふらつき(末期の肝性脳症)
これらの症状が“慢性的”に見られるときは注意が必要です。
初期は特に「年のせいかな?」と思われがちです。
診断には血液検査+画像検査が有効
● 血液検査
- ALT・AST(肝細胞のダメージ)
- ALP・GGT(胆管系の異常)
- ビリルビン(黄疸の指標)
- アンモニア・アルブミン(肝機能低下)
● 超音波検査(エコー)
肝臓の大きさや形、内部構造の乱れなどを確認します。
● 必要に応じて:肝生検
診断を確定するために、超音波ガイド下で組織を採取することもあります(鎮静・麻酔が必要です)。
治療の中心は「原因除去」と「肝臓の保護」
原因に応じた治療
- 自己免疫性:ステロイドや免疫抑制剤
- 細菌感染:抗生物質
- 薬剤性:原因薬剤の中止
進行に伴って、腹水や肝性脳症を発症した場合にはまたそれに適した治療が必要となります。
ここまで進行する前に早期発見や健康診断で異変を発見できることが一番です!
まとめ
最後に、
慢性肝炎は“見た目には分かりにくい病気”ですが、
飼い主様の「小さな気づき」が、動物たちの命を守る第一歩です。
- 最近ちょっと元気がない…
- 高齢だから気になってるけど、まだ相談していない…
- しばらく健康診断していない…
そんな方は、ぜひこの機会にご相談ください!
当院では春・秋頃で健康診断のキャンペーンを実施予定です!ぜひこれからの時期ご相談ください!
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