尿量が多い、痩せてきた・・・ファンコーニ症候群かも⁉

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こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳

今回はファンコーニ症候群についてお話します。

 

 

ファンコーニ症候群とは?

ファンコーニ症候群とは、腎臓の尿細管(にょうさいかん)という部分の機能が障害されることで、体に必要な栄養分やミネラルが尿中に漏れ出てしまう病気です。

腎臓のろ過は正常でも、再吸収がうまくできなくなるのが特徴です。

 

 腎臓のしくみとファンコーニ症候群の異常

腎臓は「血液をろ過して不要なものを尿に出す」「必要なものを体に戻す」という役割をしています。

ファンコーニ症候群では、再吸収を担う尿細管がうまく働かず、次のような物質が体外へ出てしまいます。

  • ブドウ糖(糖尿)
  • アミノ酸
  • ナトリウム、カリウムなどの電解質
  • 重炭酸イオン(血液の酸性化)

そのため、慢性的なエネルギー不足や酸塩基バランスの異常が起こります。

 

主な症状

進行はゆるやかですが、次のような症状が少しずつ現れます。

よく水を飲む・尿の量が多い(多飲多尿)

体重減少、やせてくる

元気・食欲の低下

筋力の低下、脱力

嘔吐、下痢

骨がもろくなる(骨軟化症)

糖尿病のように「尿に糖が出る」ことがありますが、血糖値は正常である点が異なります。

 

 診断

血液検査と尿検査を組み合わせて診断します。

尿検査

糖などが過剰に排泄されます。また、尿が薄くなるため比重が低下します。

血液検査

電解質異常、代謝性アシドーシス(血が酸性に傾く)が起こります

血糖値

正常であることがポイント(糖尿病との鑑別に重要)です

 

一部の犬種では遺伝的に発症しやすく、特にベドリントン・テリアやバセンジーなどで知られています。

 

治療

根本的に完治させることは難しいため、体のバランスを整えながら進行を抑える治療を行います。

  • 重炭酸ナトリウム(またはカリウム):アシドーシスの改善
  • 電解質補正:カリウム・リンなどを補う
  • 高品質な食事管理:腎臓への負担を減らす
  • 原因の除去:薬剤性の場合は中止

早期発見と継続的なケアによって、良好な生活を長く維持できるケースもあります。

 

予後と生活の工夫

  • 慢性的な経過をたどるため、定期的な血液・尿検査が必要です。
  • 食事・サプリメントの変更は、獣医師の指導のもとで行いましょう。
  • 早めの診断と治療で、進行をゆるやかにできます。

 

まとめ

ファンコーニ症候群は、腎臓の尿細管がうまく働かなくなる病気です。

見た目には「よく水を飲む」「体重が減る」といった軽い変化から始まるため、早期発見がとても大切です。

気になる症状がある場合は、早めに動物病院で検査を受けましょう。

 

 

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