2025/05/26
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
「最近、うちの子が体をかゆがる…」「皮膚がベタついてニオイも気になる」ということはありませんか?その原因は、「マラセチア皮膚炎」かもしれません。
今回はそんな皮膚の病気「マラセチア皮膚炎」についてお話ししていきたいと思います!
マラセチア皮膚炎とは?
マラセチア皮膚炎とは、犬の皮膚に常在するマラセチア酵母菌が異常繁殖して、炎症やかゆみ、脱毛などの皮膚症状を引き起こす病気です。
マラセチアは健康な犬の皮膚や外耳道にも存在する常在菌ですが、何らかのきっかけで免疫バランスが崩れると、過剰に繁殖して皮膚トラブルを引き起こします。
症状
以下のような症状が見られる場合は、マラセチア皮膚炎の可能性があります。
主な症状
- かゆみ(掻く・舐める・こする)
- 皮膚の赤み・ベタつき
- 強い体臭(脂っぽいにおい)
- 脱毛・フケ
- 皮膚の黒ずみや厚み(慢性化)
- ベタベタした耳垢、耳の痒み(外耳炎の原因)
好発部位
- 耳
- 顔(口周り・目の周り)
- 脇の下
- 指の間
- 股の間
- お腹
- 会陰部
これらの部位に異変が見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
原因:なぜマラセチアが増える?
マラセチア菌自体は悪い菌ではありません。しかし、皮膚環境の悪化や免疫の低下により過剰に増殖すると、炎症を引き起こします。
増殖のきっかけとなる主な要因
- アレルギー体質(アトピー性皮膚炎・食物アレルギーなど)
- 脂漏症(皮脂の過剰分泌)
- 高温多湿な環境
- シャンプー不足や間違ったスキンケア
- ホルモン異常(甲状腺機能低下症など)
- 免疫低下(シニア犬・他疾患による)
慢性的な皮膚病の背景には、他の基礎疾患が隠れていることもあるため、獣医師による適切な診断が重要です。
診断
検査方法
動物病院では主にテープストリッピング法(皮膚にテープを張り付けて、皮膚の表面の角層を見る方法)で検査が行われます。
検査の結果、マラセチアが通常より多く検出された場合は、マラセチア皮膚炎と診断されます。
治療法:どうやって治すの?
治療は皮膚の洗浄・抗真菌薬の使用・基礎疾患の治療が基本になります。
主な治療内容
- 薬用シャンプー療法
- マラセチアに有効な抗真菌成分を含むシャンプーで洗浄します。
- 外用薬(軟膏・ローション)
- 症状部位に抗真菌薬を直接塗布します。
- 内服薬(重度の場合)
- 抗真菌薬の服用
- 副作用を避けるため、期間・量に注意します。
- 基礎疾患の治療
- アトピー、アレルギー、ホルモン異常の管理を行います。
皮膚の炎症が酷い場合はステロイド薬の内服や塗布を行う場合もあります。
治療には数週間〜数ヶ月かかる場合もあります。飼い主さんの継続的なケアと通院が大切です。
予防法:繰り返さないためにできること
マラセチア皮膚炎は再発しやすい病気です。日頃のスキンケアと生活習慣が予防のカギになります。
予防のポイント
- 定期的なシャンプーと清潔な皮膚環境の維持
- 湿気がこもらないようにする(特に耳や脇)
- 症状の早期発見と早期受診
- 定期的な健康診断・皮膚チェック
最後に
マラセチア皮膚炎は、適切な治療とスキンケアで十分に改善が見込める病気です。しかし、放置すると慢性化し、愛犬に大きなストレスを与えてしまいます。
「もしかして…」と思ったら、動物病院までご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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TEL:03-3704-1014
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