2025/06/01
こんにちは!
けいこくの森動物病院です🌳
「最近、うちの子が疲れやすい…」
「咳が出ている気がする」
そんな症状が、**拡張型心筋症(DCM)**という病気のサインかもしれません。
今回は、犬の拡張型心筋症の原因や症状、治療について説明します。
拡張型心筋症とは?
拡張型心筋症は、心臓の筋肉(心筋)が薄く弱くなり、心臓が拡張してしまう病気です。
心臓は体に血液を送るポンプの役割をしていますが、このポンプ機能が低下してしまうことで、全身に十分な血液を送れなくなります。
進行すると、心不全を引き起こし、命に関わる状態になることがあります。
好発犬種・年齢
拡張型心筋症は、中~大型犬に多い病気です。特に以下の犬種でよく見られます。
- ドーベルマン
- グレート・デーン
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- セント・バーナード
- ボクサー
- コッカー・スパニエル
発症年齢は中高齢(5歳以上が多い)ですが、犬種によっては若くても発症する場合があります。
どんな症状が出るの?
初期は無症状の場合も多く、気づかれないことがあります。
進行してくると、以下のような症状が見られます。
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元気・食欲がない
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運動を嫌がる、すぐ疲れる
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咳が出る
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呼吸が速い・苦しそう
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お腹が膨らむ(腹水)
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失神(突然倒れることも)
咳や呼吸困難は、肺に水がたまる肺水腫のサインです。急にぐったりする場合は、緊急対応が必要です。
原因はなに?
はっきりした原因はわかっていないことも多いですが、遺伝的な要因が強いと考えられています。
一部の犬種では、家系に拡張型心筋症が多く見られることがあります。
診断のための検査
動物病院では、症状や聴診だけでなく、以下の検査を行い診断します。
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胸部レントゲン検査(心臓や肺の状態確認)
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心電図検査(不整脈の有無をチェック)
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超音波検査(心エコー)(心臓の大きさ・動き・血液の流れの状態を評価)
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血液検査(全身状態や心臓バイオマーカーの測定)
特に心エコー検査は、心臓の収縮力や拡張具合を直接確認できるため、重要な検査です。
どんな治療をするの?
拡張型心筋症は、完治が難しい慢性の病気です。
でも、早期に見つけて適切な治療を行うことで、症状を抑えて長生きすることも可能です。
治療の柱は、心臓の負担を減らし、血液循環を助けるお薬の投与です。
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血管拡張薬(ACE阻害薬など):血圧を下げて心臓の負担を軽くする
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強心薬(ピモベンダンなど):心臓の収縮力をサポートする
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利尿薬:肺水腫や腹水の改善
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不整脈の治療薬(必要に応じて)
お薬の組み合わせや量は、症状や進行度に合わせて調整します。
また、定期的な検査で心臓の状態をモニタリングすることが大切です。
まとめ:小さなサインに注意を!
拡張型心筋症は、犬にとって怖い病気ですが、早期発見・早期治療が命を守ります。
もし以下のようなサインが見られたら、すぐにご相談ください。
✅ 咳が続く
✅ すぐ疲れる、散歩に行きたがらない
✅ 呼吸が苦しそう
✅ 突然倒れる
「なんとなく元気がないかも…」そんなときでも、お気軽にお声がけください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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