疲れやすい、咳が出ている……拡張型心筋症かも⁉

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こんにちは!

けいこくの森動物病院です🌳

「最近、うちの子が疲れやすい…」

「咳が出ている気がする」

そんな症状が、**拡張型心筋症(DCM)**という病気のサインかもしれません。

今回は、犬の拡張型心筋症の原因や症状、治療について説明します。

 

拡張型心筋症とは?

拡張型心筋症は、心臓の筋肉(心筋)が薄く弱くなり、心臓が拡張してしまう病気です。

心臓は体に血液を送るポンプの役割をしていますが、このポンプ機能が低下してしまうことで、全身に十分な血液を送れなくなります

進行すると、心不全を引き起こし、命に関わる状態になることがあります。

好発犬種・年齢

拡張型心筋症は、中~大型犬に多い病気です。特に以下の犬種でよく見られます。

  • ドーベルマン
  • グレート・デーン
  • アイリッシュ・ウルフハウンド
  • セント・バーナード
  • ボクサー
  • コッカー・スパニエル

発症年齢は中高齢(5歳以上が多い)ですが、犬種によっては若くても発症する場合があります。

 

どんな症状が出るの?

初期は無症状の場合も多く、気づかれないことがあります。

進行してくると、以下のような症状が見られます。

  • 元気・食欲がない

  • 運動を嫌がる、すぐ疲れる

  • 咳が出る

  • 呼吸が速い・苦しそう

  • お腹が膨らむ(腹水)

  • 失神(突然倒れることも)

咳や呼吸困難は、肺に水がたまる肺水腫のサインです。急にぐったりする場合は、緊急対応が必要です。

 

原因はなに?

はっきりした原因はわかっていないことも多いですが、遺伝的な要因が強いと考えられています。

一部の犬種では、家系に拡張型心筋症が多く見られることがあります。

 

診断のための検査

動物病院では、症状や聴診だけでなく、以下の検査を行い診断します。

  • 胸部レントゲン検査(心臓や肺の状態確認)

  • 心電図検査(不整脈の有無をチェック)

  • 超音波検査(心エコー)(心臓の大きさ・動き・血液の流れの状態を評価)

  • 血液検査(全身状態や心臓バイオマーカーの測定)

特に心エコー検査は、心臓の収縮力や拡張具合を直接確認できるため、重要な検査です。

 

どんな治療をするの?

拡張型心筋症は、完治が難しい慢性の病気です。

でも、早期に見つけて適切な治療を行うことで、症状を抑えて長生きすることも可能です。

治療の柱は、心臓の負担を減らし、血液循環を助けるお薬の投与です。

  • 血管拡張薬(ACE阻害薬など):血圧を下げて心臓の負担を軽くする

  • 強心薬(ピモベンダンなど):心臓の収縮力をサポートする

  • 利尿薬:肺水腫や腹水の改善

  • 不整脈の治療薬(必要に応じて)

お薬の組み合わせや量は、症状や進行度に合わせて調整します。

また、定期的な検査で心臓の状態をモニタリングすることが大切です。

 

まとめ:小さなサインに注意を!

拡張型心筋症は、犬にとって怖い病気ですが、早期発見・早期治療が命を守ります。

もし以下のようなサインが見られたら、すぐにご相談ください。

✅ 咳が続く

✅ すぐ疲れる、散歩に行きたがらない

✅ 呼吸が苦しそう

✅ 突然倒れる

「なんとなく元気がないかも…」そんなときでも、お気軽にお声がけください。

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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TEL:03-3704-1014

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