愛犬のタマタマが赤い・腫れている?考えられる精巣炎の原因とは

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こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

今回は、あまり知られていないけれど、ときどき見られる病気「精巣炎(せいそうえん)」についてご紹介いたします。

去勢手術をしていない男の子のワンちゃんに起こることがあり、放っておくと痛みがひどくなったり、将来的に精巣の腫瘍(しゅよう)に繋がることもあります。

「なんだか最近、うちの子おまたを気にしているな…」
「片方の精巣が腫れている気がする…」

そんな時には、精巣炎の可能性を考えてみてください。

精巣炎ってどんな病気?

精巣炎とは、精巣(睾丸)に炎症が起こる病気です。
医学的には「精巣炎(orchitis)」と呼ばれ、精巣が赤く腫れたり、痛みが出たりします。

去勢をしていない中高齢のオス犬で時々見られます。

放っておくと、痛みがひどくなるだけでなく、精巣が委縮したり、腫瘍化のリスクもあるため注意が必要です。

主な原因は?

精巣炎の原因はさまざまですが、大きく分けて以下の2つがあります。

① 細菌感染

もっとも一般的な原因です。
以下のようなケースで、細菌が精巣に侵入することがあります。

  • 外傷(傷)からの感染

  • 尿路感染症からの波及

  • 前立腺炎・精管炎などからの炎症の広がり

  • 手術後や注射部位からの感染

感染が精巣にまで及ぶと、赤み・腫れ・熱感などの炎症反応が出てきます。

② 外傷や打撲

ケンカや事故で陰部を打ったり、走り回ってどこかにぶつけたりして、精巣に直接ダメージが加わると炎症が起きることもあります。

どんな症状が出るの?

ワンちゃんは痛みを言葉で伝えられないので、飼い主さんの「ちょっとした気づき」がとても大切です。

以下のような症状が見られたら、精巣炎の可能性があります。

  • 陰嚢(いんのう/精巣の袋)が腫れている

  • 精巣を触ると痛がる/嫌がる

  • 歩き方がおかしい(足を広げるように歩く)

  • お尻をよく舐める、気にする

  • 食欲が落ちた/元気がない

  • 発熱

※片方だけが腫れることも多く、「なんとなく左右の大きさが違う?」と感じる飼い主さんもいます。

どうやって診断するの?

動物病院では、以下のような方法で診断を行います。

  • 視診・触診:左右差、腫れ、熱感の有無をチェックします

  • 超音波検査(エコー):精巣の内部に炎症や膿が溜まっていないか確認します

  • 血液検査:感染や炎症の有無、全身状態を把握します

  • 尿検査:尿路感染の可能性を調べます

  • 必要に応じて細菌培養精液検査も行います

治療はどうするの?

治療は、原因や重症度によって異なりますが、主に以下の方法が取られます。

薬による治療

  • 抗生物質:細菌感染がある場合に使用します

  • 消炎鎮痛剤:炎症や痛みを抑えてくれます

  • サプリメント:精巣や前立腺の健康を保つ補助的なものもあります

※軽度の場合は、内科的な治療で回復することもあります。

去勢手術(精巣摘出手術)

症状が重い場合や、慢性的な精巣炎再発を繰り返す場合には、去勢手術が推奨されます。

特に、精巣内に膿が溜まっている(化膿性精巣炎)場合や、腫瘍の疑いがある場合は、摘出手術が必要です。

手術によって痛みや不快感が取り除かれ、生活の質も改善されるケースが多いです。

放っておくとどうなるの?

精巣炎を放置してしまうと…

  • 慢性炎症 → 精巣が縮む・機能が低下する

  • 痛みが長引く → 食欲・元気の低下

  • 精巣の腫瘍化のリスク上昇

  • 他の泌尿器系の病気(前立腺炎など)を併発

など、ワンちゃんの健康に大きな影響を及ぼすこともあります。

予防や対策はあるの?

✅ 早めの去勢手術を検討

精巣炎の多くは未去勢のオス犬に起こります。
早期の去勢手術によって、精巣炎だけでなく、精巣腫瘍や前立腺の病気も予防できます。

✅ 陰部の観察・清潔を保つ

おうちでも、たまにお腹や陰部をチェックしてみてください。
赤みや腫れ、左右差がないかを見る習慣が大切です。

✅ 異常を感じたらすぐ病院へ

「気にして舐めてるな…」という程度でも、実は病気のサインかもしれません。

早期発見・治療で痛みから守ってあげましょう!

精巣炎は、直接的に命に関わる病気ではありませんが、ワンちゃんにとってはとてもつらい痛みや不快感を伴う病気です。

原因によっては手術が必要になることもありますが、早期に治療すれば回復が見込める病気です。

「なんとなく気になる…」そんな小さな違和感を見逃さずに、
ワンちゃんの健康を守っていきましょう。

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放置すると腫瘍のリスクがあがる…⁉潜在精巣のついて

 

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