犬の免疫介在性眼瞼炎とは?まぶたの赤み・腫れ・脱毛に注意!

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こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

犬の眼の病気には数多くの種類がありますが、その中でも「免疫介在性眼瞼炎(めんえきかいざいせいがんけんえん)」は、免疫の異常によってまぶたに炎症が起こる病気です。比較的まれな疾患ではありますが、放置すると慢性的に悪化し、視覚や生活の質に大きな影響を与える可能性があります。今回は、飼い主さんに知っていただきたい免疫介在性眼瞼炎の特徴、症状、原因、診断、治療法、そして日常生活での注意点について解説します。

 

免疫介在性眼瞼炎とは?

「免疫介在性」とは、本来は体を守るはずの免疫が、誤って自分自身の組織を攻撃してしまう状態を指します。つまり、犬の免疫介在性眼瞼炎とは自己免疫反応によってまぶたの皮膚や縁が炎症を起こす病気です。

通常の眼瞼炎(まぶたの炎症)は細菌感染や外傷によって起こることも多いですが、免疫介在性の場合は細菌やウイルスの存在とは関係なく、免疫の異常な反応が原因となる点が大きな違いです。

 

主な症状

免疫介在性眼瞼炎にかかると、以下のような症状が見られます。

  • まぶたの赤みや腫れ

  • 眼のまわりの皮膚がただれる

  • まぶたの脱毛(毛が抜ける)

  • かさぶたやフケの付着

  • まぶたの変形や硬化

  • 眼やに、流涙(涙が増える)

  • 重症になると角膜炎や結膜炎を併発することもあります

特に、両眼に左右対称に症状が出ることが多い点は、感染性の眼瞼炎との見分けに役立ちます。

 

発症の原因

免疫介在性眼瞼炎の正確な原因は解明されていませんが、以下のような要因が関与すると考えられています。

  • 自己免疫疾患:免疫システムの異常により、自分のまぶたの組織を攻撃してしまう。

  • 遺伝的素因:特定の犬種では自己免疫疾患が起こりやすいとされています。

  • 環境因子:紫外線やストレス、感染症の既往歴がきっかけになる場合もあります。

診断方法

免疫介在性眼瞼炎の診断は、外見だけでは難しいことが多いため、以下のような検査を組み合わせて行います。

  • 身体検査・眼科検査:まぶたの炎症の状態を観察し、角膜や結膜の異常も確認します。

  • 血液検査:全身的な免疫疾患の有無を調べます。

  • 感染症の除外:細菌性や真菌性の眼瞼炎と区別することが重要です。

 

治療方法

治療の中心となるのは「免疫抑制療法」です。免疫の暴走を抑えることで、まぶたの炎症をコントロールします。

  1. ステロイド剤の投与

    • 炎症を速やかに抑える効果があります。

    • ただし長期使用による副作用に注意が必要です。

  2. 免疫抑制薬

    • ステロイド以外の免疫抑制剤を併用する場合があります。

    • ステロイドの量を減らしながら、再発防止を図ります。

  3. その他点眼薬・外用薬

    • 抗炎症点眼薬や抗菌点眼薬で、二次感染や角膜障害を予防することもあります。

  4. 支持療法

    • 目の洗浄や保湿点眼によって、犬の不快感を和らげます。

治療の経過と予後

免疫介在性眼瞼炎は完治が難しく、長期的な管理が必要となるケースが多いです。治療によって炎症をうまく抑えられれば、見た目の改善や生活の質の維持が可能です。ただし、投薬をやめると再発することが多いため、動物病院での定期的なチェックと薬の調整が欠かせません。

日常生活での注意点

免疫介在性眼瞼炎の犬と暮らす上で、飼い主さんが気をつけたいポイントをまとめます。

  • 紫外線対策:強い日差しは症状を悪化させることもあるため注意しましょう。

  • 目をこすらせない:痒みや違和感で前足でこすると悪化するため、エリザベスカラーを使用することもあります。

  • 清潔な環境:二次感染予防のため、寝床や顔周りを清潔に保ちましょう。

  • 定期通院:症状の変化を見逃さず、薬の量を適切に調整することが大切です。

 

まとめ

犬の免疫介在性眼瞼炎は、自己免疫反応によってまぶたに炎症が起こる病気です。赤みや脱毛、かさぶた、まぶたの変形などが見られ、進行すると角膜や視覚にも影響を与える可能性があります。治療には免疫抑制剤やステロイドが用いられ、長期的な管理が必要です。

「なんだか眼のまわりが赤い」「まぶたの毛が抜けてきた」といったサインに気づいたら、早めに動物病院での診察を受けましょう。早期発見・早期治療が重要です。

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