2025/06/09
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳
猫がごはんを食べたがらなかったり、口の周りを気にしたりしていませんか?それは「歯肉口内炎」というお口の病気のサインかもしれません。
中でも「尾側口内炎(びそくこうないえん)」という状態は、口の奥のほうに強い炎症が起きてしまう、猫にとって、とてもつらい病気です。
歯肉口内炎ってどんな病気?
歯肉口内炎は、口の中にある粘膜(歯肉やほっぺたの内側など)に、赤くて強い炎症が起こる病気です。特に奥歯の後ろ側から、喉にかけて広がる「尾側口内炎」は、痛みが強く、猫が食事や日常生活に支障をきたすこともあります。
この病気は、単なる口のトラブルではなく、体全体の免疫の働きが関係していると考えられています。
主な原因はなに?
歯肉口内炎のはっきりとした原因はまだわかっていませんが、次のようなことが関係していると考えられています。
免疫の過剰反応
口の中の細菌や歯垢、歯石などに対して、体が強く反応してしまうことが原因とされています。
ウイルスの感染
猫カリシウイルス、猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)などが関係していることもあります。
歯周病
歯肉の病気が悪化して、炎症が広がることも。
体質やストレス
もともとの体質や、環境の変化なども影響する場合があります。
こんな症状が見られます
歯肉口内炎になると、猫はさまざまなサインを出します。次のような様子が見られたら、要注意です。
・ごはんの前に行くけれど、食べるのをためらう
・よだれが出る(血が混じることも)
・強い口臭
・前足で口をかくしぐさ
・食べにくそうにする、かたい物を避ける
・毛づくろいをしなくなる
・痩せてきた、元気がない
・人や他の猫に対して怒りっぽくなる、引きこもる
これらはすべて、「お口が痛いよ」というサインです。
診断のしかた
まずは動物病院で口の中をしっかり診てもらいましょう。歯肉の腫れや赤み、潰瘍(ただれ)などがあれば、視診で診断されることが多いです。
また、次のような検査も行われることがあります。
血液検査
体の状態や感染症の有無を確認
ウイルス検査
FIVやFeLVなどが関与していないかを確認
レントゲン検査
歯周病や歯の状態を確認
治療には2つの方法があります
猫の歯肉口内炎には、「内科的治療(薬や注射など)」と「外科的治療(抜歯)」の2つの方法があります。
① 外科的治療(抜歯)
お薬で症状が改善しない場合には、「臼歯(奥歯)」や「すべての歯」を抜く治療を行うことがあります。
・奥歯をすべて抜くことで、刺激の元(歯垢や歯石)をなくし、炎症をおさえます
・抜歯後は60〜80%の猫が良くなるという報告もあります
・抜歯をしても完全に治るとは限りませんが、痛みが軽くなり、ごはんを食べられるようになる子が多いです
見た目の印象とちがって、歯を抜いても猫は上手にごはんを食べられるようになります。
②内科的治療(保存療法)
外科的治療(抜歯)で改善されない場合は、痛みや炎症をおさえるための内科的治療を行います。
・抗生物質
感染を抑える
・消炎鎮痛薬
痛みと炎症をやわらげる
・ステロイドや免疫抑制剤
免疫の反応を落ち着かせる
これらは一時的に効果があることもありますが、完治するわけではなく、時間がたつとまた症状がぶり返すことが多いです。
特に長期間ステロイドを使うと、副作用も心配です。
治療後のケアと管理
治療しても再発することがあるため、長期的な管理が大切です。
・定期的に動物病院でお口のチェック
・ストレスを減らす環境づくり
・自宅でのケア(難しければ無理せず病院と相談)
猫にとってできるだけ快適な生活を送れるよう、獣医師と一緒に上手に付き合っていくことが大切です。
まとめ
猫の歯肉口内炎は、強い痛みと不快感をともなう病気で、食事や日常生活に大きな影響を与えます。原因はさまざまですが、早期発見と適切な治療が重要です。
外科的治療(抜歯)で改善しない場合は、内科的治療によって生活の質が大きく改善するケースも多くあります。
「最近ごはんを食べにくそう」「お口を気にしている」などの変化があれば、それは猫からのサインかもしれません。
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