2025/05/17
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳
今回は食道内異物についてお話します。
「飲み込んだもの」が命に関わることもあります
私たちの愛する犬や猫は、ときに好奇心や食欲のままに「本来食べるべきでないもの」を飲み込んでしまうことがあります。
それが「食道」に詰まってしまった状態を「食道内異物」といいます。
これは単なる「喉に何かが引っかかった」という軽い問題ではなく、時間が経つと食道が傷ついたり、命に関わる重大な症状に進行することもある危険な状態です。
食道とは?
食道は、口から飲み込んだ食べ物を胃まで運ぶ“管”のような器官です。
とても繊細なつくりをしており、ここに異物が詰まってしまうと、大きなダメージを受けやすくなります。
どんなものが詰まりやすいの?
以下のようなものが、犬や猫の食道に詰まりやすい異物です。
骨(とくに鶏の骨、魚の骨)
おもちゃのかけら、ぬいぐるみの詰め物
串、竹串、焼き鳥の串
果物の種(桃、梅、柿など)
固いジャーキーや大きすぎるおやつ
プラスチック、ビニール片、布、ゴム製品
特に小型犬や子猫は、小さな口や食道に比べて誤飲しやすく、詰まりやすい傾向があります。
症状
食道に異物が詰まると、次のような症状が現れることがあります。
何度も吐こうとするが吐けない
よだれが多く出る
頻繁に嚥下(飲み込む)しようとする
咳やむせるような動作
食欲がない/食べたがらない
首を伸ばして不自然な姿勢をとる
元気がない、ぐったりしている
これらの症状が出ているときには、すぐに動物病院へ連れてきてください。
診断と検査
食道内異物が疑われる場合、以下の検査を行います。
身体検査(口の中や喉の状態)
レントゲン検査(骨や金属などの異物の確認)
バリウム造影(レントゲンに写らない異物の確認)
内視鏡検査(カメラで直接観察、摘出可能)
異物の種類や大きさ、位置によって検査内容が変わります。
治療方法
治療は、異物の除去が基本になります。
内視鏡による除去
麻酔をかけ、口から細長いカメラを挿入し、異物をつかんで取り出します。
成功率が高く、身体への負担も比較的少ない方法です。
外科手術
内視鏡で取り出せない場合や、すでに食道が傷ついている場合には、手術による異物除去が必要になることもあります。
食道や胃の損傷への対応
- 炎症や潰瘍が起きていれば、その治療もあわせて行います。
- 時には絶食や点滴、胃瘻チューブなどによる栄養管理が必要になることもあります。
放置するとどうなるの?
食道内異物を放置すると、以下のような重大な合併症が起こることがあります。
食道潰瘍、穿孔(穴があく)
食道炎の悪化
食道狭窄(通り道が細くなる)
重度の感染症や膿瘍形成
肺炎(誤嚥による)
最悪の場合、命を落とすことも…
異物が詰まってからの時間が長いほど、治療が難しくなり、予後が悪くなることが多いため、早期の対応が何よりも大切です。
予防のポイント
人間の食べ物は与えない(とくに骨)
おもちゃやガムのサイズに注意
目を離すときは誤飲しやすいものを片付けておく
日常的なちょっとした配慮が、大きな事故を防ぐことにつながります。
まとめ
犬や猫の食道内異物は、命に関わる緊急性の高い病気です。
「何かおかしいな?」と感じたとき、迷わずにすぐにご相談ください。
異物の除去は時間との勝負です。少しでも気になる症状があれば、早めにご来院ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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