吐こうとするけど吐かない、食欲がない……もしかして食道内異物⁉

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳

今回は食道内異物についてお話します。

 

「飲み込んだもの」が命に関わることもあります

私たちの愛する犬や猫は、ときに好奇心や食欲のままに「本来食べるべきでないもの」を飲み込んでしまうことがあります。

それが「食道」に詰まってしまった状態「食道内異物」といいます。

これは単なる「喉に何かが引っかかった」という軽い問題ではなく、時間が経つと食道が傷ついたり、命に関わる重大な症状に進行することもある危険な状態です。

 

食道とは?

食道は、口から飲み込んだ食べ物を胃まで運ぶ“管”のような器官です。

とても繊細なつくりをしており、ここに異物が詰まってしまうと、大きなダメージを受けやすくなります。

 

どんなものが詰まりやすいの?

以下のようなものが、犬や猫の食道に詰まりやすい異物です。

骨(とくに鶏の骨、魚の骨)

おもちゃのかけら、ぬいぐるみの詰め物

串、竹串、焼き鳥の串

果物の種(桃、梅、柿など)

固いジャーキーや大きすぎるおやつ

プラスチック、ビニール片、布、ゴム製品

特に小型犬や子猫は、小さな口や食道に比べて誤飲しやすく、詰まりやすい傾向があります。

 

症状

食道に異物が詰まると、次のような症状が現れることがあります。

何度も吐こうとするが吐けない

よだれが多く出る

頻繁に嚥下(飲み込む)しようとする

咳やむせるような動作

食欲がない/食べたがらない

首を伸ばして不自然な姿勢をとる

元気がない、ぐったりしている

これらの症状が出ているときには、すぐに動物病院へ連れてきてください。

 

診断と検査

食道内異物が疑われる場合、以下の検査を行います。

身体検査(口の中や喉の状態)

レントゲン検査(骨や金属などの異物の確認)

バリウム造影(レントゲンに写らない異物の確認)

内視鏡検査(カメラで直接観察、摘出可能)

異物の種類や大きさ、位置によって検査内容が変わります。

 

治療方法

治療は、異物の除去が基本になります。

内視鏡による除去

麻酔をかけ、口から細長いカメラを挿入し、異物をつかんで取り出します。

成功率が高く、身体への負担も比較的少ない方法です。

外科手術

内視鏡で取り出せない場合や、すでに食道が傷ついている場合には、手術による異物除去が必要になることもあります。

食道や胃の損傷への対応

  • 炎症や潰瘍が起きていれば、その治療もあわせて行います。
  • 時には絶食や点滴、胃瘻チューブなどによる栄養管理が必要になることもあります。

 

放置するとどうなるの?

食道内異物を放置すると、以下のような重大な合併症が起こることがあります。

食道潰瘍、穿孔(穴があく)

食道炎の悪化

食道狭窄(通り道が細くなる)

重度の感染症や膿瘍形成

肺炎(誤嚥による)

最悪の場合、命を落とすことも…

異物が詰まってからの時間が長いほど、治療が難しくなり、予後が悪くなることが多いため、早期の対応が何よりも大切です。

 

予防のポイント

人間の食べ物は与えない(とくに骨)

おもちゃやガムのサイズに注意

目を離すときは誤飲しやすいものを片付けておく

日常的なちょっとした配慮が、大きな事故を防ぐことにつながります。

 

まとめ

犬や猫の食道内異物は、命に関わる緊急性の高い病気です。

「何かおかしいな?」と感じたとき、迷わずにすぐにご相談ください。

異物の除去は時間との勝負です。少しでも気になる症状があれば、早めにご来院ください。

 

 

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