2025/05/21
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
愛犬の口の中をじっくり見たことはありますか?
実は、見た目には分かりにくいけれど、気づかないうちに進行してしまう「含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)」という病気があります。
今回はこの病気についてご紹介します。
含歯性嚢胞とは?
含歯性嚢胞とは、あごの骨の中にできる袋状の腫瘤(しゅりゅう)で、主に“埋まったままの歯”の周りに発生する嚢胞(のうほう:液体のたまった袋)のことです。
犬の乳歯や永久歯が生え変わるときに、歯が正しく生えてこなかったり、歯が骨の中に埋まったままになることで、その周りに嚢胞ができてしまうことがあります。
どんな犬がなりやすいの?
- 小型犬(特にトイプードル、チワワ、ヨークシャーテリアなど)
- 下あごに犬歯や前臼歯が残っている犬
- 乳歯が抜けずに残ってしまった犬
特に、**生え変わりの時期(6ヶ月~1歳)**に乳歯が残ったままの犬は要注意です!
飼い主が気づけるサインは?
含歯性嚢胞は初期にはほとんど症状がありません。ただし、進行すると次のようなサインが出ることもあります。
- 顔の腫れ(特に口の周り)
- よだれが増える
- ごはんを食べづらそうにする
- 片側だけで噛む
- 出血や口臭
でも、多くは健康診断やレントゲンで偶然見つかることがほとんどです。
症例写真
上の画像は含歯性嚢胞のわんちゃんです。
上顎の犬歯が埋まっており(埋伏歯)、そこから嚢胞が形成されています。
また、歯科レントゲン写真では周囲の骨が溶けていることが分かります。
症状
含歯性嚢胞が大きくなると、周りの骨を溶かしてしまうことがあります。
- あごの骨がもろくなる
- 歯がぐらつく、抜ける
- 嚢胞が破れて感染を起こす
といった深刻な問題につながることがあります。
治療法
治療は主に手術で嚢胞を取り除くことです。多くの場合、原因となっている埋伏歯(うずもれている歯)も一緒に抜歯します。
手術は全身麻酔が必要ですが、早期に対応すれば予後は良好です。
予防や早期発見のためにできること
- 乳歯が6ヶ月を過ぎても残っている場合は早めに動物病院へ
- 定期的な口腔検診(特に若い頃)を受ける
- 必要に応じてレントゲン検査をする
最後に
含歯性嚢胞は目に見えにくい病気ですが、定期的なチェックと早期発見が大切です。
愛犬がいつまでも健康でいられるように、歯のケアにもぜひ目を向けてみてくださいね。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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