2025/05/20
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
今回は、あまり知られていないけれど意外と多い「埋伏歯(まいふくし)」という歯のトラブルについてご紹介します。
「うちの子、歯は全部生えているから大丈夫」
「硬いおやつもちゃんと食べてるし、問題ないはず」
そう思っている飼い主さんにこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
埋伏歯とは?
「埋伏歯」とは、本来なら生えてくるはずの歯が、骨や歯茎の中に埋もれたままになっている状態を指します。
人間でも親知らずなどでよくある症状ですが、実は犬にもよく見られる歯のトラブルのひとつです。特に小型犬や短頭種(フレンチブルドッグ、シーズー、チワワなど)で多く報告されています。
埋伏歯になる原因は?
いくつかの原因が考えられます。
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歯が生えるスペースが狭い
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遺伝的な要因
埋伏歯は一見すると「歯が抜けたまま生えてこない」と感じられることが多く、見た目では分かりづらいため、見逃されがちです。
埋伏歯が引き起こすトラブル
「生えてこないなら、そのままでもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、埋伏歯を放置すると、以下のようなトラブルを引き起こすことがあります。
嚢胞(のうほう)の形成
埋伏した歯の周囲に液体がたまり、嚢胞と呼ばれる袋状の病変ができることがあります。これが大きくなると、あごの骨を溶かしてしまうことも。
周囲の歯や骨への影響
埋伏歯が隣の歯を圧迫して位置をずらしたり、根の吸収を引き起こしたりすることがあります。
どんな犬に多いの?
埋伏歯はどの犬種にも起こり得ますが、特に以下のような犬でよく見られます。
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小型犬(チワワ、トイプードル、ポメラニアンなど)
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短頭種(シーズー、パグ、フレンチブルドッグなど)
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遺伝的に歯列異常のある犬
埋伏歯の見つけ方
見た目や症状だけでは分かりにくい
埋伏歯は、ほとんどの場合見た目には分かりません。無症状のことが多いです。
以下のようなサインが見られた場合は、埋伏歯が疑われます。
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「歯が足りない気がする」
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「顔の一部が腫れている」
正確な診断にはレントゲンが必要
当院では、口腔内の異常を確認するために麻酔下で歯科用レントゲン検査を行います。
これにより、埋伏歯の位置や大きさ、周囲への影響などを正確に把握できます。
治療方法とその後のケア
埋伏歯が見つかった場合、多くは外科的に摘出することが勧められます。特に嚢胞や炎症がある場合は、早期の処置が必要です。
手術は全身麻酔下で行い、埋伏した歯を抜歯します。術後は一時的に腫れや痛みが出ることがありますが、多くの犬は数日で元気になります。
また、術後は定期的な歯科検診を受け、他の歯の健康も一緒にチェックしていくことが大切です。
予防のために飼い主さんができること
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子犬の頃から歯のチェックを習慣に
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生後6ヶ月前後で乳歯が残っていないかを確認しましょう。
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年1回は歯科検診を
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定期的なレントゲン検査で、目に見えない異常をチェックします。
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違和感を見逃さない
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口元を気にしている、よだれが増えた、食べづらそうなどの行動があれば早めにご相談ください。
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最後に:埋伏歯は「隠れたトラブル」
埋伏歯は、目に見えないだけに発見が遅れやすく、放置することでさまざまな健康リスクを引き起こします。しかし、早期発見・早期治療をすれば予後は良好です。
当院では、歯の定期検診を随時受け付けております。
「歯の数が少ない気がする」「乳歯がなかなか抜けない」など、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
犬の歯の健康は、全身の健康にもつながる大切なポイントです。
大切なご家族の笑顔を守るために、ぜひ一度チェックしてみませんか?
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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TEL:03-3704-1014
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