犬の歯がすり減って短くなっている|歯の摩耗について

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皆さんは、ワンちゃんの「歯の摩耗」についてご存じですか?
犬の歯は私たち人間と同じように、大切な「生活の道具」です。
しかし、日々の生活や癖の中で、少しずつすり減ってしまうことがあるのです。

この記事では、犬の歯の摩耗について、

  • 原因は何か?

  • 放置するとどうなる?

  • どうやって予防する?

  • 治療は必要なの?

といった疑問に、分かりやすくお答えしていきます。

犬の歯の摩耗ってなに?

歯の摩耗(まもう)とは、歯の表面(特にエナメル質)が削れたり、すり減ったりすることを言います。犬の場合は、前歯(切歯)や犬歯、臼歯の先端が徐々に丸くなったり、短くなったりするのが特徴です。

本来、犬の歯は獲物を捕らえたり、食べ物を咬み切るために鋭く発達しています。しかし、何らかの原因で日常的に強い摩擦が加わると、歯が異常に削れてしまうのです。

主な原因は?

犬の歯が摩耗する主な原因は、以下のようなものです。

1. 硬すぎるおもちゃやガム

プラスチック製の硬いおもちゃや、牛骨などの非常に硬いガムは、犬が噛むことで歯に強い負荷がかかり、長期的に歯が削れていきます。

2. 金属製のケージをかじる癖

ケージやサークルの柵をかじる癖がある子も要注意。特にストレスや退屈によってかじってしまう場合、摩耗だけでなく歯の破折(折れる)にもつながるリスクがあります。

3. ボールや石を噛む

テニスボールなど表面がザラザラした素材のものや、散歩中に拾った石を噛むことも、歯の摩耗を引き起こす原因です。

4. 遺伝や咬合異常

生まれつき歯の位置に問題がある場合(咬合異常)、特定の歯同士が強く当たりすぎて摩耗を引き起こすことがあります。

放置するとどうなる?

「少しすり減るくらいなら問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそうとも限りません。歯の摩耗が進行すると、以下のような問題が起きることがあります。

● 神経が露出する

歯が削れていくことで、内部の象牙質、さらに進むと神経(歯髄)が露出してしまうことがあります。これにより強い痛みを感じたり、感染を起こしたりするリスクが高まります。

● 歯の破折や感染

摩耗して弱くなった歯は、ちょっとした衝撃で欠けたり割れたりしやすくなります。破折した歯は、根の先に膿がたまり、顔が腫れる「根尖膿瘍」などの原因にもなります。

● 食欲不振・ストレス

歯に痛みがあると、硬いフードを食べられなくなったり、噛むことを嫌がったりします。慢性的なストレスにもつながるため、生活の質(QOL)にも影響します。

どうやって予防する?

歯の摩耗は、日常のちょっとした配慮で予防できます。以下のポイントを参考にしてください。

◎ 適切なおもちゃを選ぶ

犬用のおもちゃは「歯に優しい」素材であることが重要です。弾力性があり、歯や歯ぐきを傷つけないよう設計された製品を選びましょう。

NG例:ナイロン製のおもちゃ、硬い石、ひづめ、鹿の角、ゴルフボールなど

◎ ストレスの軽減

ケージをかじるなどの行動は、ストレスや退屈が原因であることが多いです。適度な運動や遊び、安心できる環境作りが大切です。

◎ 定期的な歯のチェック

ご自宅で愛犬の歯を観察してみましょう。歯の先が丸くなっていたり、歯の色が変わっていたら要注意です。

そして何より大切なのが、「動物病院での定期的な歯科チェック」です。

治療法

歯の摩耗が軽度であれば、特に治療を必要としない場合もありますが、以下のような処置が必要になることもあります。

コンポジットレジンによる保護

初期の摩耗には、樹脂(レジン)を塗布することで削れてしまった部分を保護することがあります。

根管治療や抜歯

神経が露出してしまったり、すでに感染している場合は、根管治療(歯の中を洗浄し詰める治療)や、抜歯が必要になることもあります。

治療の選択肢は、年齢や健康状態、生活の質に応じて獣医師と相談しながら決めていきます。

まとめ:犬の歯も「使いすぎ」に注意!

犬の歯の摩耗は、「硬いものを噛むのが好き」「よく遊ぶから健康」といった一見ポジティブな行動の裏に潜んでいます。ですが、歯が削れてしまうと、犬にとって大きなストレスや病気の原因になりかねません。

● 硬すぎるおもちゃやガムは避けましょう

● ケージをかじる癖には注意を

● 定期的な歯のチェックと動物病院での健診を

 

当院では、歯の健康相談や、歯科検診も随時承っております。
「最近、うちの子の歯が丸くなってきたかも…」と感じた方は、どうぞお気軽にご相談ください。

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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