子犬、子猫の乳歯が欠ける乳歯破折について

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳

今回は子犬、子猫で生じる永久歯に生え変わる前の乳歯が欠けてしまう「乳歯破折」について解説します。

 

破折とは

破折とは歯が折れたり欠けたりすることを意味します。

子犬子猫の乳歯が折れる乳歯破折と、永久歯が折れる永久歯破折があります。

 

乳歯破折の原因

破折はほとんどが外傷が原因で生じます。

よくある外傷の原因としては、ボール、バット、車などによる打撲や、硬いものを噛むことなどがあります。

構造的に乳歯は永久歯よりも歯の厚さが薄く、神経・血管が通る空間である歯髄腔が広いです。

歯髄腔が広いことにより、破折した際には歯髄が露出した状態(露髄)になりやすいです。

 

乳歯破折の症状

乳歯破折は乳犬歯に多く見られます。

症状は以下の通りです。

歯が短い

破折した歯は反対側の歯よりも短くなります。

歯髄が露出している

破折が最近のものであればピンク色あるいは出血が見られます。

破折が最近のものでなければ歯髄の露出は慢性的であり、黒色に見えます。

歯肉に膿胞ができる

乳歯は歯髄腔の直径が大きいため、歯髄の感染や膿瘍形成が急速におきます。

感染により歯髄の壊死や膿瘍形成が生じた場合、歯肉が腫れて膿胞ができます。

咀嚼のときの痛み

歯の損傷が大きい場合には痛みもでます。

特に、歯髄腔が露出した犬では咀嚼の際に痛みが生じやすいです。

永久歯への障害

歯髄の感染により出る膿汁が成長中の永久歯に流れるとエナメル質形成不全のような永久歯の障害を引き起こします。

 

乳歯破折の診断

目視検査

見た目はとても重要な情報で診断に有効です。

X線検査

見た目だけでは歯の根っこ(歯根)の状態は分からないです。

そのため歯のX線検査によって折れた歯の歯根の状態、他の歯の状態などを確認します。

 

乳歯破折の治療方法

乳歯は自然と抜けることが多いですが、破折している場合には臨床症状の有無に関わらず治療が必要です。

未治療の場合、永久歯を損傷する可能性があります。

抜歯

破折した歯の抜歯が有効な治療方法です。

抜歯によって疼痛や感染の可能性が軽減できます。

 

まとめ

乳歯破折は子犬子猫で生じる疾患です。

歯は健康のためにとても重要な組織ですので、日常的に口もチェックして異常がないか確認しましょう。

 

 

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