急な嘔吐?腸重積について知っておきたいこと

こんにちは!けいこくの森動物病院です!

ペットが急に元気をなくして嘔吐したり、食欲が急に落ちてしまったとき、飼い主としてはとても心配ですよね。その原因のひとつに「腸重積」という病気があることをご存じでしょうか?腸重積は、特に子犬や子猫に多く見られる病気で、早期の発見と治療がとても重要です。

今回は、「腸重積ってどんな病気?」「どんな症状が現れるの?」といった基本的なことから、飼い主が知っておくべき治療法まで、わかりやすくご紹介します。


腸重積とは?

腸重積(ちょうじゅうせき)とは、腸の一部が他の腸に入り込んでしまう状態のことです。想像してみてください。腸がまるでひとつの部分を折りたたんでしまうようなイメージです。これによって腸が圧迫され、血流が悪くなったり、内容物が進まなくなったりして、痛みや嘔吐などを引き起こします。

もしこのまま放置すると、腸が壊死したり、腸に穴が開く(穿孔)ことがあり、命に関わることも。だからこそ、腸重積の症状に気づいたら、すぐに動物病院へ駆け込むことが大切です。


腸重積の原因は?

腸重積が起きる原因にはいくつかの要因があります。もちろん、どの原因が関わっているのかは個体差があるので、専門家の診断が重要です。

  • 腸の運動異常
    腸内の内容物がスムーズに進まないと、腸がねじれたり、重なったりすることがあります。これは腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の異常によるものです。

  • 腸の構造異常
    一部の犬や猫では、生まれつき腸が伸びすぎている、または変形していることがあります。これが腸重積を引き起こす原因となることも。

  • 腫瘍や異物の影響
    腸に腫瘍や異物があると、それが腸重積を引き起こすことがあります。異物が腸に詰まってしまうと、腸が入り込んでしまうのです。

  • 感染症や腸内炎
    腸内に炎症が起きることで腸が腫れ、腸重積を引き起こす場合もあります。特に、ウイルスや細菌による感染症が原因になることがあります。


腸重積の症状とは?

腸重積が発症した場合、見逃しがちな症状もありますが、いくつかの特徴的なサインがあります。愛犬や愛猫の体調に少しでも異変を感じたら、すぐに病院に相談しましょう。

  • 急な嘔吐
    最も一般的な症状は嘔吐です。特に、食べたものをすぐに吐き出す、または胃が空っぽでも何度も吐く場合、腸重積が疑われます。

  • 血便や粘液便
    腸の重積によって血流が悪化すると、腸内で出血することがあります。そのため、便に血が混ざったり、粘液が出ることもあります。

  • 激しい腹痛
    腸が圧迫されると、非常に強い腹痛を引き起こします。ペットが腹部を触ったり、丸まったりすることで痛みを訴えることがあります。

  • 元気消失や食欲不振
    激しい痛みや不快感により、食欲がなくなり、元気もなくなることがあります。普段から元気なペットが急に元気をなくした場合、要注意です。

  • 脱水症状
    嘔吐が続くと水分が失われ、脱水症状を引き起こします。口が乾いていたり、目が乾燥していたり、皮膚にたるみが見られることがあります。


腸重積の診断方法

腸重積が疑われる場合、早期に診断を受けることが肝心です。診断は以下の方法で行われることが一般的です。

  • 問診
    飼い主からペットの症状について詳しく聞き取ります。嘔吐が始まったタイミングや、元気のなさ、食欲の変化などを教えてください。

  • 触診
    獣医師が腹部を触って、腸の異常を探します。腸が固くなっている、または腫れている場合、腸重積が疑われます。

  • 画像検査
    超音波やX線で腸の状態を確認します。特に超音波は腸の動きや重積の有無をはっきりと確認できるため、重要な検査方法です。


腸重積の治療方法

腸重積は早期の対応が肝心です。治療方法は症状の進行具合によって異なりますが、一般的な治療方法は以下の通りです。

  • 薬物治療
    軽度の場合は、薬で腸の動きを改善し、重積を解消することがあります。ただし、薬だけで治すのは難しい場合も多いです。

  • 手術
    腸重積が進行している場合、手術によって腸を元の位置に戻す必要があります。腸が壊死している場合、その部分を切除することもあります。

  • 点滴治療
    嘔吐が続き、脱水症状が見られる場合は、点滴で水分を補給します。これにより、体調の回復をサポートします。


腸重積を予防するためにできること

腸重積を完全に予防することは難しいですが、いくつかのポイントに気をつけることでリスクを減らすことができます。

  • 食事管理
    高品質なフードを与え、過剰な食事や異物の摂取を避けましょう。特に子犬や子猫の時期は食事内容に注意が必要です。

  • 定期的な健康チェック
    定期的な動物病院での健康チェックを受けることで、腸に異常がある場合でも早期に発見できます。

  • ストレス管理
    ストレスや環境の変化が腸の健康に影響を与えることがあります。ペットが安心できる環境を整えることも大切です。


まとめ:早期発見が大事!

腸重積は急激に進行する病気であり、早期の治療が求められます。ペットが急に嘔吐したり、元気がなくなったりした場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。症状に気づいたらすぐに行動することが、愛犬や愛猫の命を守るために非常に重要です。

もしもペットの健康に不安があれば、迷わず専門の獣医師に相談してくださいね。大切なペットを守るためには、飼い主の迅速な対応が何より大切です。

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