猫の1型歯牙吸収(吸収病巣)について

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳

今回は、猫の歯の病気の1つである1型歯牙吸収(吸収病巣)についてお話します。

 

猫の1型歯牙吸収(吸収病巣)とは?

~見えない痛みに気づいてあげてください~

猫ちゃんがごはんを食べづらそうにしていたり、口を気にしているような仕草を見せていませんか?

そんなときに考えられる病気のひとつが、「歯牙吸収(しがきゅうしゅう)」です。

中でも「1型歯牙吸収(Type 1 Tooth Resorption)」は、歯の周囲に炎症が関係し、歯の表面から内部に向かって溶けていくように進行する病気です。

歯牙吸収とは?

歯牙吸収は、歯のエナメル質や象牙質といった組織が破壊・吸収されてしまう病気です。進行すると、歯の一部が崩れたり、歯の根だけが残ってしまったりすることもあります。

猫にとてもよく見られる疾患で、3歳以上の猫の半数以上に発生しているともいわれています。

1型と2型の違い

歯牙吸収には大きく2つのタイプがあります。

  • 1型:歯の周囲の歯肉炎や歯周病などの炎症が原因で起こる。歯根膜(歯の根を支える組織)は比較的保たれている。
  • 2型:原因がはっきりせず、歯の内部の細胞が活性化して吸収が進行。歯根膜が失われて骨と癒着していく。

1型は、歯周病の管理が重要になるタイプで、多くの猫に認められます。

 

こんな症状が見られたら要注意

歯牙吸収は、強い痛みを伴う病気です。しかし猫は痛みを隠すのが得意な動物です。以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • ごはんを食べるのが遅くなった、食べ残す
  • 硬いフードやおやつを嫌がる
  • 食事中に顔をしかめる、口を片側に傾ける
  • 口を気にして前足でこすろうとする
  • よだれが出る
  • 口の周りや顎下が汚れている
  • 体重が減ってきた

 

診断と治療

レントゲン検査が不可欠

見た目では異常がわからない場合でも、レントゲンで歯の内部や歯根の状態を確認することが重要です。1型歯牙吸収では、歯根が比較的正常な形で残っているのが特徴です。

治療は抜歯が基本

現在のところ、吸収された歯を元に戻す方法はありません。

1型では、歯の周囲に炎症があることが多いため、病変のある歯は完全に抜歯することが一般的です。

痛みの除去と再発防止のために、外科的抜歯を行うことが猫ちゃんの生活の質を守る上でとても大切です。

 

予防や早期発見のために

  • 定期的な口腔内チェック(年1回以上)
  • 家庭でのデンタルケア
  • 異変を感じたらすぐに受診

歯牙吸収は、早期に発見できれば、それだけ痛みを減らし、健康的な生活を保つことができます。

放置していると、複数の歯に広がってしまうこともあるため、違和感に気づいたら早めにご相談ください。

 

まとめ

猫の1型歯牙吸収は、**歯周病と深く関係する「見えない病気」**です。

「うちの子は歯が丈夫だから大丈夫」と思っていても、見えないところで痛みを抱えていることがあるのがこの病気の怖いところです。

口元に違和感がある、いつもと様子が違うと感じたら、お気軽にご相談ください。

 

 

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