2025/05/30
こんにちは!
けいこくの森動物病院です🌳
「最近、うちの子、なんだか元気がない」「食欲も落ちてるし、少し痩せたような…」
そんな症状の裏に、**アジソン病(副腎皮質機能低下症)**という、見逃されやすいけれど重要な病気が隠れているかもしれません。
今回はアジソン病についてお話しします。
アジソン病とは?
アジソン病は、副腎という臓器が正常に働かなくなり、必要なホルモン(特にコルチゾールやアルドステロン)が分泌されなくなる病気です。
副腎は、腎臓の上にある小さな臓器ですが、体内のストレスへの反応・水分や電解質の調整・血圧の維持などに深く関与している重要な器官です。
この副腎の機能が低下すると、体のバランスが崩れてさまざまな症状が出てきます。
主な症状
アジソン病の症状はとてもあいまいで「なんとなく調子が悪い」程度のことも多く、慢性の下痢や嘔吐と間違われることもあります。
以下のような症状が見られることがあります:
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食欲不振・体重減少
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嘔吐・下痢
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元気がない・疲れやすい
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脱水・ふらつき
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震え・徐脈(脈が遅くなる)
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ストレスや通院後の急激なぐったり(アジソンクリーゼ)
とくに「低ナトリウム血症+高カリウム血症」が特徴的な所見です。
原因
アジソン病の多くは「自己免疫性」と考えられており、体の免疫が自分の副腎を攻撃してしまうことで機能が失われるとされています。
また、脳からのホルモン指令が出なくなる「続発性アジソン病」や、長期間のステロイド使用を突然やめたことによる二次的な副腎機能不全も原因となります。
突然倒れることも? ~アジソンクリーゼとは~
慢性的に進行していたアジソン病が、**急激に重症化する「アジソンクリーゼ」**という状態に陥ることがあります。
この場合は、ぐったりして動かない・嘔吐・ショック症状・意識障害などを起こし、放置すると命に関わります。
原因不明のショック状態では、アジソン病を念頭に置くことがとても重要です。
診断方法
アジソン病は、以下のような検査で診断されます:
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血液検査(電解質:ナトリウム・カリウムなどの異常)
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ACTH刺激試験(副腎に刺激を与えてホルモン分泌の反応を見る)
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超音波検査(副腎の大きさを確認)
アジソン病の診断には経験と正確な検査が必要です。気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。
治療と管理
アジソン病の治療は、不足しているホルモンを外から補ってあげることです。
治療に使われる主なお薬
- ステロイド(コルチゾールの代用):プレドニゾロンなどを少量で継続投与
- 鉱質コルチコイド(アルドステロンの代用):フルドロコルチゾン(毎日投与)やDOCP注射(約1か月ごと)
一度の治療で完治する病気ではありませんが、適切な治療と定期的なモニタリングにより、元気な生活を続けることが可能です。
まとめ
アジソン病は「静かに進行する病気」です。しかし、正しく診断し、しっかり治療すれば、多くの犬がこれまで通りの生活を送ることができます。
もし愛犬に「元気がない」「なんとなく調子が悪い」などの気になるサインがあれば、早めに動物病院にご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、お困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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