【歯科症例】「吸収病巣」の猫ちゃんの歯科処置

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳

今回は猫ちゃんで多い「吸収病巣」の症例をご紹介します。

 

吸収病巣とは?

「吸収病巣(きゅうしゅうびょうそう)」は、正式には「歯の吸収病変」と呼ばれる病気で、猫の歯が少しずつ破壊され吸収される病気です。

特に猫に多く見られ、成猫の半数以上に発生しているとも言われているほど一般的です。

歯の表面のエナメル質や象牙質が、猫自身の体により少しずつ破壊され、最終的には歯が崩れてなくなってしまいます。

 

1型と2型の違い

歯牙吸収には大きく2つのタイプがあります。

1型

歯の周囲の歯肉炎や歯周病などの炎症が原因で起こる。歯根膜(歯の根を支える組織)は比較的保たれています。

2型

原因がはっきりせず、歯の内部の細胞が活性化して吸収が進行。歯根膜が失われて骨と癒着していきます。

 

1型は、歯周病の管理が重要になるタイプで、多くの猫に認められます。

 

 

実際の症例

歯石、歯肉炎が気になるとのことで、全身麻酔下での歯科処置を実施した7歳の猫ちゃんです🐱

下の画像は口の右側の写真です。

全体的に歯肉に赤みがありますが、下の奥の歯は特に赤みが強いです。

このように歯肉が特に赤い部分では歯が吸収されている可能性が高いです。

 

下の画像は、歯科レントゲン写真です。

全身麻酔可で、口の中にセンサーを入れて撮影します。

他の歯と比較すると、歯が吸収されている様子が一目瞭然です。

 

治療は抜歯が基本

現在のところ、吸収された歯を元に戻す方法はありません。

歯の周囲に炎症があることが多いため、病変のある歯は完全に抜歯することが一般的です。

痛みの除去と再発防止のために、抜歯を行うことが猫ちゃんの生活の質を守る上でとても大切です。

 

予防や早期発見のために

吸収病巣は早期に発見し治療を行えば、それだけ痛みを減らし健康的な生活を保つことができます。

「うちの子は歯が丈夫だから大丈夫」と思っていても、見えないところで痛みを抱えていることがあるのがこの病気の怖いところです。

口元に違和感がある、いつもと様子が違うと感じたら、お気軽にご相談ください。

 

 

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