おしりにできた“できもの”の正体は?犬に多い肛門周囲腺腫について解説します

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こんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳

今回は犬でよく見られる「肛門周囲腺腫」についてご紹介します。

この腫瘍は高齢のオス犬に非常に多く、良性の場合が多いものの、放置してしまうと大きくなって出血や感染、排便困難などの原因になることがあります。

肛門のまわりに「しこり」や「できもの」を見つけたとき、すぐに対処することで手術や治療がスムーズに進み、わんちゃんの負担も少なくなります。

 

肛門周囲腺腫とは?

肛門のまわりには「肛門周囲腺(男性ホルモンに反応する皮脂腺の一種)」が分布しており、ここから発生する腫瘍のことを「肛門周囲腺腫」といいます。

  • 良性腫瘍:肛門周囲腺腫
  • 悪性腫瘍:肛門周囲腺癌

この記事では主に良性の肛門周囲腺腫について解説します。

 

好発年齢・性別・犬種

  • 主に高齢の未去勢オス犬
  • 特に9歳以上の小型犬(ミニチュア・ダックスフンド、トイ・プードル、シーズーなど)に多く見られます。
  • メス犬や去勢済みのオス犬ではあまり見られません。

このことから、「男性ホルモン(アンドロゲン)」が腫瘍の発生に大きく関わっていると考えられています。

 

どんな症状が見られる?

肛門周囲に見られるしこりや腫れが主な症状です。

  • 肛門周囲にできものができる(1個または複数)
  • 出血する、ジクジクしている
  • 犬が気にしてなめたり、こすったりする
  • 排便時に痛がる、便が出にくそう
  • 時には肛門から離れた場所(尾のつけ根、腰背部など)にもできることがあります

良性のものは比較的ゆっくり大きくなりますが、放置すると出血したり、感染して化膿したりすることもあります。大きくなると排便困難や肛門狭窄を引き起こすため注意が必要です。

 

診断方法

  1. 視診・触診
    • 肛門周囲にしこりがないか、硬さや大きさを確認します。
  2. 細胞診(FNA:細針吸引生検)
    • 腫瘍に細い針を刺して細胞を採取し、良性か悪性かの判断に使います。
  3. 血液検査・画像検査
    • 高齢犬で麻酔をかける前には全身状態のチェックが必要です。
    • 超音波やレントゲンで、腫瘍の広がりや転移の有無を確認することもあります。

 

治療方法

腫瘍の外科的切除

最も一般的で効果的な治療です。

良性であれば、切除することで根治が期待できます。

  • 早期に小さいうちに切除すれば、手術も比較的簡単で傷も小さく済みます。
  • 大きくなったり、感染していると手術が複雑になったり再発のリスクが高くなります。

去勢手術(未去勢オス犬の場合)

非常に重要なポイントです。

肛門周囲腺腫は男性ホルモンに依存する腫瘍のため、去勢を行うことで再発率が大幅に低下します。

  • 去勢手術と同時に腫瘍を切除するケースも多いです。
  • 去勢後に腫瘍が小さくなることもあります。

📌 去勢していないオス犬で肛門のしこりができたら、まずは去勢を含めた治療を検討しましょう。

 

当院での対応について

当院では、肛門周囲腺腫の早期診断と治療を心がけています。

  • 触診や細胞診でしっかりと腫瘍の性質を見極め
  • 必要に応じて去勢手術や腫瘍切除手術を行い
  • 悪性が疑われる場合は、腫瘍の進行度や全身状態に応じて、内科的・外科的治療を検討いたします。

「できものかな?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。良性でも、放置せず早めの対応が大切です。

 

まとめ

  • 肛門周囲腺腫は高齢の未去勢のオス犬に多く見られる良性腫瘍
  • 早期に発見すれば手術で治癒が可能
  • 去勢手術で再発予防ができるため、併せて検討することが大切
  • 放置すると出血、感染、排便障害などのトラブルになることも

おしりのしこりに気づいたら、まずは検査を受けましょう。

大切な家族であるわんちゃんが、長く快適に暮らせるようサポートいたします。

 

 

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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