愛犬の「水をよく飲む」「お腹がポッコリ」は病気のサイン?| 副腎皮質機能亢進症/クッシング症候群について

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こんにちは。世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。


今回は中高齢のワンちゃんによく見られる「副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)」、通称「クッシング症候群」についてご紹介します。

「最近やたら水を飲むなぁ…」
「お腹だけ出てきた気がする」
そんな症状、実は病気のサインかもしれません。

副腎皮質機能亢進症ってどんな病気?

副腎(ふくじん)とは、腎臓の上にある小さな臓器です。ここでは「コルチゾール」というホルモンが作られており、体にとって必要不可欠な存在です。

しかし、何らかの原因でこのコルチゾールが過剰に分泌されてしまうと、さまざまな不調が体に現れます。さまざまな症状を総称して「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」と呼びます。

主な症状

副腎皮質機能亢進症はゆっくり進行する慢性の病気です。そのため、飼い主さんが見落としやすいことも。以下のような症状が見られたら注意しましょう。

  • 異常なほど水を飲む(多飲)・おしっこが多い(多尿)

  • お腹がポッコリしてくる(腹囲膨満)

  • 毛が薄くなる、左右対称に脱毛する

  • 皮膚が薄くなり傷つきやすい

  • 筋肉が落ちて足が細くなる

  • 呼吸が荒くなる

これらの症状が複数当てはまる場合、クッシング症候群の可能性があります。

原因は?

原因には主に3つのタイプがあります。

  1. 下垂体性(かすいたいせい)
     脳の下垂体からの指令が異常になり、副腎がコルチゾールを出しすぎてしまうタイプ。
     

  2. 副腎性
     副腎そのものに腫瘍などができて、勝手にコルチゾールを出しすぎてしまうタイプ。
     

  3. 医原性(いげんせい)
     治療のためにステロイド薬(コルチゾンなど)を長期間使用した結果、体内のコルチゾール量が異常に増えるタイプ。

 

 

どうやって診断する?

副腎皮質機能亢進症の診断は、血液検査ホルモン検査超音波検査などを組み合わせて行います。

特に使われるのは:

  • ACTH刺激試験

これらは少し専門的ですが、体の反応を見てコルチゾールが正常かどうかを確認する方法です。副腎の腫瘍がないか腹部エコー検査CT検査を行うこともあります。

治療法について

原因やワンちゃんの年齢、健康状態に応じて治療法は異なります。

① お薬による治療(内科療法)

  • 主にお薬を使って、コルチゾールの分泌を抑えます。

  • 生涯投薬が必要になりますが、定期的な血液検査でのモニタリングを行いながら、症状の改善を目指します。

② 手術による治療(外科療法)

  • 副腎性タイプで、腫瘍が良性かつ摘出可能な場合は、外科手術を検討することがあります。

  • 高齢犬にはリスクがあるため、慎重な判断が必要です。

③ 医原性の場合

  • 可能であれば、ステロイド薬の使用量を減らす、または中止することで改善が期待できます。

 

 

放っておくとどうなるの?

副腎皮質機能亢進症はすぐに命に関わる病気ではありませんが、放置すると合併症(糖尿病、高血圧、感染症、血栓など)を引き起こしやすくなります。また、ワンちゃんの生活の質(QOL)が低下してしまいます。

早期に発見して適切な治療を行えば、日常生活を快適に過ごせる可能性は十分にあります

気になる症状があれば、まずはご相談を

「うちの子もよく水を飲むなぁ…」
「年のせいかな、と思っていたけど…」

そんな不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
副腎皮質機能亢進症は早期発見・早期治療がカギです。
シニア犬に多く見られる病気だからこそ、定期的な健康チェックが大切です。

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

東京都世田谷区等々力1-34-18

シュロス等々力1F

TEL:03-3704-1014

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