2025/08/08
こんにちは!
けいこくの森動物病院です🌳
今回は、犬や猫に多くみられる寄生虫のひとつ「鉤虫(こうちゅう)」による病気=鉤虫症(こうちゅうしょう)についてご紹介します。
「ただの下痢かな?」と見逃してしまうと、命に関わることもあります。
とくに子犬・子猫を飼い始めた方には、ぜひ知っておいていただきたいと思っています!
鉤虫ってどんな虫?
鉤虫は、犬や猫の小腸(特に空腸)に住み着く寄生虫です。
名前の通り、「鉤(かぎ)」のような口を持ち、腸にかみついて血を吸うという特徴があります。
とても小さい虫ですが、吸血によって体に大きなダメージを与えることも。
特に免疫力の弱い子犬・子猫では重症化しやすく、注意が必要です。
↑実際はヤマビルを細長くしたような見た目をしています。
鉤虫はどうやってうつるの?
鉤虫の感染ルートは意外と多く、以下のようなケースがあります。
口から感染(経口感染)
→ 土や水、他の動物のうんちに触れたあとに口に入ってしまう。
皮膚から感染(経皮感染)
→ 地面などを歩いたときに、皮膚から体内に入り込む。
母親からうつる
→ 胎盤や母乳を通して感染することもあります。
特に、外でよく遊ぶ子や、野良猫だった経験のある子は要注意です。
家の中で飼っていても、靴の裏についた土や、他のペットとの接触など、完全に防ぐのは難しい寄生虫です。
どんな症状が出るの?
鉤虫が腸に寄生すると、血を吸ったり腸の壁を傷つけたりすることで、以下のような症状が現れることがあります。
主な症状
- 黒っぽい便(タールのような色)
- 元気がない
- 下痢や軟便が続く
- お腹が痛そうにしている
- 貧血(歯ぐきや舌が白っぽくなる)
- 体重がなかなか増えない(特に子犬・子猫)
特に子犬や子猫では進行が早く、命に関わることもあります。
「うちの子、最近元気がないな…」
「お腹が緩いのが続いてる…」
そんな時は、鉤虫症も疑ってみる必要があります。
診断方法は?
基本的には、便を検査して、鉤虫の卵を探します。
ただし、感染したばかりの頃はまだ卵が出てこないこともあるため、症状から総合的に判断することもあります。
特に子犬や子猫では、卵が見つかる前に症状が出てしまうこともあるため、少しでも気になることがあれば早めの受診をおすすめします。
治療方法は?
鉤虫症の治療は駆虫薬(くちゅうやく)の投与です。
また、鉤虫によって貧血や栄養不良が起きている場合には、鉄剤や栄養サポートが必要になることもあります。
治療後は再検査をして、ちゃんと虫がいなくなったか確認することが大切です。
鉤虫症は予防できる?
はい、予防できます!
以下のポイントを押さえておきましょう。
予防のポイント
- 定期的な便検査と駆虫
→ 特に子犬・子猫の時期は定期的なチェックが大切です。 - 清潔な環境を保つ
→ 土や砂がある場所は要注意。排泄物はすぐに片づけましょう。 - 外に出すときは注意
→ 他の犬や猫との接触、地面のにおいをかぐなど、感染リスクのある行動を把握しておく。 - 母犬・母猫のケアも大切
→ 胎盤や母乳から感染することもあるため、繁殖前の健康管理も重要です。
まとめ
鉤虫症は誰にでも起こりうる寄生虫感染症です。
でも、きちんと予防・治療すれば、怖い病気ではありません。
特に、
- 外に出る機会が多い
- 最近迎えたばかりの子犬・子猫
- 黒い便や元気のなさが気になる
といった場合は、なるべく早めにご相談ください。
大切な家族を守るためにも、「おかしいな」と思ったら、お気軽にご相談ください。
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